不動産投資には、入居者が集まりやすい時期と、入居者付けに苦戦しやすい時期があります。
前者が“繁忙期”なのに対し、後者は“閑散期”と呼ばれ、この時期をどう乗り越えられるかどうかは、オーナーの手腕にかかっています。
今回は、不動産投資の閑散期における具体的な空室対策について解説しましょう。
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不動産投資における閑散期はいつ?
まず、投資用不動産のオーナーは、いつが閑散期に該当するのかを明確にしておきましょう。
不動産投資において、もっとも入居者付けが難しくなる閑散期は、7~9月頃とされています。
夏場は非常に暑く、天候も安定しないことから、わざわざこの時期に賃貸物件を探すケースは少ないです。
また、3~4月や10月などは、新生活や異動によって転居する方が増えるため、不動産投資の繁忙期となりますが、7~8月に新生活が始まる方はほとんどいませんし、この時期の異動もあまり一般的ではありません。
よって、7~9月の直前、5~6月などに退去者が出てしまった場合、オーナーは思い切った対策を取らなければ、なかなか空室を埋めるのが難しくなります。
不動産投資の閑散期における空室の原因
7~9月に訪れる閑散期までに、十分な入居者を確保できなかったオーナーは、早急に対策を取る必要があります。
ただし、その際にはまず、空室が続いている原因を分析しなければいけません。
原因に合わせた対策を取らなければ、せっかくの苦労が水の泡になってしまう可能性があります。
具体的には、自身の所有する投資用不動産が以下に該当していないかをチェックしましょう。
- 共用部分の清掃・管理が不十分
- 条件が似ている物件と比べて賃料が高い
- 条件が似ている物件と比べて強みが少ない
- 老朽化した設備の修繕を行っていない
- 入居者の募集方法に問題がある
- ターゲット層と物件の設備がマッチしていない など
不動産投資の閑散期における対策4選
前述した空室の原因のうち、どれに該当しているかを明確にした後は、原因に応じて、閑散期を乗り切るための対策を取りましょう。
おすすめの対策としては、以下の4つが挙げられます。
- 物件に付加価値を付ける
- 入居キャンペーンを実施する
- リフォームを実施する
- 広告料を上乗せする
物件に付加価値を付ける
条件が似ている物件と比べて魅力が少なかったり、入居者の募集方法に問題があったりする場合は、思い切って物件に付加価値を付けましょう。
具体的には、以下のような条件や設備などをプラスすることで、閑散期の入居者確保を狙います。
- ペット飼育可
- DIY可
- セキュリティ強化(ダブルロックなど)
- ルームシェア可
- 家具家電付き
- 無料Wi-Fi、インターネット完備 など
また、これらの付加価値からいずれかを選択する際は、ターゲット層のニーズに合っているかを必ず考慮しなければいけません。
例えば、1人暮らしの女性がターゲットの場合、優先すべきなのはセキュリティ強化ですし、学生が主なターゲットの物件では、ルームシェアや家具家電付き、Wi-Fi完備といった条件が好評につながりやすいです。
入居キャンペーンを実施する
賃料の高さが主なネックになっている場合は、入居キャンペーンを実施し、閑散期を乗り切りましょう。
賃貸物件への入居時、入居者は敷金や礼金、仲介手数料や火災保険料など、ある程度まとまった資金を用意しなければいけません。
よって、入居キャンペーンと称して、こちらの費用を安くすれば、ある程度入居者は集まることが期待できます。
具体的な方法としては、以下が挙げられます。
- 敷金礼金ゼロ
- フリーレント(3ヶ月程度) など
リフォームを実施する
物件の魅力が乏しいと感じる場合、思い切ってリフォームやリノベーションを実施するのも良いでしょう。
不動産投資における閑散期は、非常にリフォームに適したタイミングです。
なぜなら、空いている部屋が多い方が、入居者に迷惑をかける心配が少ないからです。
また、閑散期に実施するリフォームのポイントとしては、各部屋にバリエーションをつけることが挙げられます。
例えば、和室と洋室を造ったり、テーマカラーを複数用意したりと、入居者の選択肢を増やすことで、閑散期の入居率はアップしやすくなります。
広告料を上乗せする
ここまで解説した対策とはまったく違う発想ですが、管理会社に支払う広告料を上乗せすることでも、不動産投資の閑散期は乗り切れる可能性があります。
なぜなら、広告料を多く支払うことで、管理会社のモチベーションや士気が上昇し、これまでよりも広告や案内に注力してくれることが考えられるからです。
もちろん、普段から管理会社との関係を良好にしておけば、こちらの対策はより効果を発揮することが期待できます。
不動産投資の閑散期対策における注意点
不動産投資の閑散期対策として、やってはいけないことがいくつかあります。
1つは、安易に賃料を下げることです。
なぜなら、簡単に賃料を下げてしまうと、たとえ満室になったとしても、キャッシュフローが大幅に悪化する可能性があるからです。
また、明らかに賃料が相場より低い場合、“問題のある物件”というイメージを与えてしまい、より閑散期の入居者付けに苦戦することも考えられます。
そして、閑散期対策を行う場合は、現入居者をおろそかにしてはいけません。
例えば、ペット可、ルームシェア可にすることで、新しい入居者は確保できるかもしれません。
しかし、これによってペットの鳴き声が一晩中響いたり、夜中まで騒ぐ声や騒音が聞こえたりすると、既存の入居者のクレームにつながりますし、最悪の場合退去されることも考えられます。
そのため、投資用不動産に付加価値を付けたり、条件を変更したりする場合には、現入居者に了承を得ること、新入居者にルールの遵守を徹底させることを忘れてはいけません。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 7~9月は不動産投資の閑散期
- 閑散期の対策を取る際は、まず空室の原因を分析すべき
- 付加価値を付けたり、入居キャンペーンを実施したりすれば、閑散期でも入居者が集まる可能性がある
- 管理会社に支払う広告料を上乗せするのも効果的
- 閑散期対策として、安易に賃料を下げるのはNG
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!