入居者はそのままの状態で、旧オーナーから新オーナーに引き渡される投資用不動産を“オーナーチェンジ物件”といいます。
中古物件を購入する場合、こちらを選択するケースも多いですが、オーナーチェンジ物件での不動産投資には、一体どのような注意点があるのでしょうか?
詳しく解説しましょう。
この記事は約5分で読めます。
【必見】オーナーチェンジ物件での不動産投資における5つの注意点
これからオーナーチェンジ物件で不動産投資を行おうと考えている方は、事前に以下の注意点について把握しておきましょう。
- 管理状況をチェックする
- 契約内容、敷金についてチェックする
- 売却理由をチェックする
- 賃貸ニーズをチェックする
- 賃料設定をチェックする
管理状況をチェックする
どのような投資用不動産であっても、購入時点の管理状況はチェックしなければいけませんが、オーナーチェンジ物件ではそのチェックをより入念に実施する必要があります。
なぜなら、オーナーチェンジ物件では、入居者が残っている部屋のチェックができないからです。
旧オーナーや不動産会社を介し、現入居者の許可を得ることができれば、各部屋のチェックができる可能性はありますが、実際は断られるケースがほとんどです。
入居者にとって、居住中の専有部分を見せることのメリットがないため、こちらは致し方ありません。
そのため、新オーナーは共用部分の状態や修繕履歴などを確認した後、旧オーナーへの質問や資料などによって、各入居者における賃料の支払い状況などをチェックし、問題がないことを確認しなければいけません。
もちろん、旧オーナーからの情報だけでは不安という場合は、仲介する不動産会社にも関連資料を請求しておくことをおすすめします。
契約内容、敷金についてチェックする
オーナーチェンジ物件では、売買によってオーナーが変更になりますが、新オーナーが新たに入居者との契約内容を設定し、契約し直すわけではありません。
賃貸借契約の内容は、前オーナーからそのまま引き継ぐ形になります。
そのため、新オーナーとなる方は、以下のポイントをしっかり確認しておかなければいけません。
- 原状回復、修繕義務のルールや特約の有無
- 更新料のルール
- 保証人、保証契約の有効性 など
きちんとこれらの契約内容について把握しておかなければ、今後その物件で不動産投資をするにあたって不利になったり、入居者とトラブルを起こしてしまったりする可能性があるため、注意が必要です。
また、賃貸借契約書に記載されたこと以外にも、旧オーナーと入居者との間で約束が交わされているケースも考えられるため、こちらに関しては旧オーナーに必ず質問しておきましょう。
ちなみに、旧オーナーが入居者から敷金を預かっている場合、新オーナーに返還の義務が発生するため、こちらが存在するのかどうかも確認する必要があります。
売却理由をチェックする
オーナーチェンジ物件で不動産投資を行う際には、なぜその物件を手放すことになったのか、旧オーナーに確認しておきましょう。
例えば「体力的に不動産投資が難しくなった」「別の投資用不動産を購入する資金が必要だった」といった理由であれば、特に問題はありません。
一方、入居者同士もしくは入居者とオーナーの間でトラブルが発生したこと、物件そのものに欠陥があることなどが理由の場合は、注意しなければいけません。
もちろん、物件の欠陥について売却時に告知しなかった場合、旧オーナーには契約不適合責任が生じます。
よって、意図して重要事項を隠蔽された場合、新オーナーは損害賠償請求などを求めることができますが、不動産投資始めた矢先にトラブルに巻き込まれるのは非常に不本意です。
このような状況にならないためには、旧オーナーだけでなく、不動産会社にも過去のトラブルの有無などについて質問しておかなければいけません。
賃貸ニーズをチェックする
オーナーチェンジ物件における大きなメリットとして、すでに入居者がいる状態で不動産投資を始められるということが挙げられます。
通常、不動産投資は空室の状態からスタートするため、なるべく速やかに入居者を募集して空室を埋めなければ、十分な賃料収入を得ることができません。
一方、オーナーチェンジ物件はこのような手間が省けるため、購入からすぐに賃料収入へとつなげることができます。
しかし、購入時に居住していた入居者が、その後もずっと契約し続けてくれるとは限りません。
そのため、オーナーチェンジ物件で不動産投資を始める際は、入居率や空室率だけでなく、そのエリア自体の賃貸ニーズについてもチェックしておきましょう。
賃貸ニーズが高い人気エリアであれば、たとえすぐに入居者が退去しても、すぐに新しい入居者が見つかる可能性は高いです。
逆に、賃貸ニーズが低いエリアの場合、一度退去者が出ると、なかなか購入当初の入居率まで回復しないことが考えられます。
ちなみに、オーナーチェンジ物件の賃貸ニーズをチェックする方法としては、現地を実際に歩き、駅や周辺施設などの状況を確認する方法や、近隣エリアの類似物件における募集状況を確認する方法などが挙げられます。
賃料設定をチェックする
たとえ入居者のいるオーナーチェンジ物件であっても、賃料設定が適切でない場合は、購入を控えるべきです。
例えば、現在の入居者の賃料が相場よりかなり高い場合、それらの入居者が退去した後、同じ賃料では入居者が付かない可能性が高いです。
もっと言えば、極端に賃料が高い物件の場合、旧オーナーが高利回りの物件に見せかけるため、一時的にサクラを入居させているケースもあるため、注意しましょう。
逆に、相場と比べてかなり安い賃料設定になっている場合は、物件やエリアに問題があることが考えられるため、こちらのチェックも欠かせません。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- オーナーチェンジ物件では管理状況の確認を念入りに行う必要がある
- 契約内容や資金の有無についても必ず確認すべき
- 旧オーナーの物件売却理由によっては、購入を考え直すべき
- 現在の入居率だけでなく、エリアの賃貸ニーズもチェックしよう
- 適切な賃料設定かどうかのチェックも忘れずに
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!