投資用不動産のオーナーは、単身者やカップル、ファミリーなど、ある程度ターゲットを絞って入居者付けを行う必要があります。
また、こちらのターゲットは、必ずしも日本人とは限りません。
今回は、外国人を入居者として迎え入れるメリット・デメリットについて解説したいと思います。
外国人入居者を迎え入れるメリット4選
外国人を入居者として迎え入れることには、主に以下のメリットがあります。
- 空室対策になる
- 入居期間が長期
- 紹介が多い
- 建物が古くても入居してもらいやすい
空室対策になる
ここ数年は、日本で働く外国人も増加し、以前より賃貸重要は高まってきています。
新型コロナウイルスの感染拡大もあり、海外から新たに流入する人数は減少しつつありますが、以前から日本に移住している方などは当然います。
よって、外国人まで幅広く迎え入れることで、効果的な空室対策となります。
また、日本における外国人の賃貸需要に対し、供給はあまり追い付いていません。
つまり、外国人の入居者を断っている物件はまだまだ多いということです。
ここで思い切って募集すれば、ライバル物件との差別化を図ることもできます。
入居期間が長期
外国人からすると、日本の集合住宅における審査のハードルは高いです。
先ほども触れたように、そもそも入居を拒否する物件も少なくありません。
よって、外国人を入居者として迎え入れれば、“外国人の入居を許可してくれる良い物件”として、長期間入居してもらいやすくなります。
入居期間が長ければ長いほど、投資用不動産のオーナーは継続して安定収入を得ることができるため、とても有利に経営を進められます。
紹介が多い
外国人の入居者であっても、当然退去をする可能性はゼロではありません。
ただ、外国人の中には、退去前に新しい入居者を紹介してくれる方も多いです。
つまり、知人や後輩の同じく外国人に対し、「ここの物件は外国人を受け入れてくれる」という風に教え、入居を促してくれるということです。
また、このようなサイクルが何度も継続すれば、たとえ退去者が出たとしても、賃料を途切れさせずに済みます。
建物が古くても入居してもらいやすい
日本人と比べて、外国人は物件の築年数をあまり気にしないケースが多いです。
こちらは、欧米などの海外諸国に、新しい物件を次々と建築するという文化があまりないからです。
どちらかというと、既存の住宅をリフォームもしくはリノベーションし、何年も住み続けるケースが多いとされています。
よって、築年数がかなり経過している投資用不動産であっても、空室に困っているのであれば、一度外国人入居者を募集してみることをおすすめします。
ちなみに、外国人には“浴槽に浸かる”という習慣もあまりないため、ユニットバスの投資用不動産であっても、十分入居希望者は集まるでしょう。
外国人入居者を迎え入れるデメリット4選
一方で、外国人を迎え入れるメリットには、以下のようなことが挙げられます。
- 言語の壁がある
- 文化の違いがある
- 転貸が発生しやすい
- 無断で帰国される可能性がある
言語の壁がある
当然のことですが、日本人と外国人は使う言語が異なります。
よって、オーナーの伝えたことがうまく伝わらなかったり、ちょっとしたニュアンスの違いで誤解が生まれたりする可能性があります。
近年は、多国語対応の不動産会社も増えてきてはいますが、オーナーにおけるコミュニケーションの負担は、確実に日本人より多くなるでしょう。
文化の違いがある
外国人の入居者は、日本人と言葉も違えば文化も違います。
皆さんも、外国人に対して“大声で話をする”、“パーティをする機会が多い”といったイメージを多少は持っていることでしょう。
もちろん、すべての外国人がそのような文化で育っているわけではありませんが、日本における常識を把握していないということは十分考えられます。
転貸が発生しやすい
海外では、知人や友人に対し、賃貸している部屋を貸し出すというケースが多く、特に禁止行為ともされていません。
よって、事前にしっかりと伝えておかなければ、契約内容はそのままで、いつの間にか入居希望者のみ入れ替わっているという可能性もあります。
無断で帰国される可能性がある
近年はかなり少ない事例ですが、外国人入居者の中には、オーナーの許可を取らず、母国に帰ってしまうという方もいます。
具体的には、突然賃料を滞納するようになり、連絡しても応答がなく、様子を見に行くともぬけの殻になっているというケースです。
もちろん、帰国してしまうと、オーナーは賃料を得られませんし、未払い分を回収するのも難しくなってしまいます。
外国人を迎え入れる際の工夫について
外国人を入居者として迎え入れるオーナーは、以下の工夫をして、トラブルが発生することを防がなければいけません。
- 在留資格をチェックする
- 家賃保険会社の利用を促す
在留資格をチェックする
外国人の入居希望者が現れた場合、オーナーは必ず在留資格をチェックしなければいけません。
こちらは、外国人が日本で一定の活動を行うこと、一定の身分や地位があることを証明する資格をいい、在留カードのコピーを提出してもらうことで確認できます。
具体的には、記載された在留資格と実際の仕事内容、有効期限などをチェックしましょう。
有効期限が切れている場合、不法滞在の人物を招き入れてしまうことになるため、注意してください。
家賃保証会社の利用を促す
前述の通り、外国人の入居者は無断で帰国してしまうおそれがあるため、入居の際には家賃保証会社の利用を促しましょう。
こうすることで、オーナーはたとえ無断で帰国されたとしても、賃料を確保することができます。
また、より用心したいという場合は、家賃保証会社+日本人の身元保証人を入居条件とし、緊急連絡先もしっかり控えておくべきです。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 外国人は入居者期間が長く、退去者が出ても次の入居者を紹介してもらいやすい
- 外国人入居者は、古い物件やユニットバスの物件でも集まりやすい
- 外国人入居者とはコミュニケーションを取るのが難しい
- 無断転貸や無許可での帰国が発生する可能性もあるため注意すべき
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!