不動産投資において、さらなる収益増加を目指す場合、所有する物件が1棟だけでは限界があります。
このときに検討したいのが、物件数を増やすことによる投資規模の拡大ですが、果たしてこちらにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
詳しく解説しますので、気になる方は参考にしてください。
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投資規模拡大のメリット4選
物件を追加購入し、不動産投資の規模を拡大させることのメリットには、主に以下が挙げられます。
- 相続税対策になる
- 経験を活かすことができる
- リスクヘッジになる
- 売却益増加が見込める
相続税対策になる
不動産投資を行う物件数を増やすことで、相続税対策につながることがあります。
相続税は、預貯金や更地で資産を所有している場合よりも、不動産で所有している方が評価額は低くなります。
よって、追加で物件を購入する資金が十分にある場合や、多少融資を受けることで2棟目を購入できる場合は、規模拡大を検討すべきです。
また、預貯金を投資用不動産に変えておく方が、相続時の財産分配もしやすくなります。
経験を活かすことができる
初めての不動産投資では、日々わからないことや判断に迷うことの連続であり、失敗することも多々あるでしょう。
一方、2棟目の不動産投資では、1棟目の経験や失敗を活かすことができるため、より条件の良い物件を購入できたり、より収益を上げることができたりする可能性が高くなります。
もちろん、入居者への対応などに関しても、以前よりスムーズに行えることが期待できます。
リスクヘッジになる
投資規模の拡大は、不動産投資における代表的なリスクヘッジです。
例えば、所有する物件が1件のみである場合、地震等の自然災害によって物件がダメージを受けたときや、近隣の大学が移転してしまったときなどには、賃料収入がゼロになってしまう可能性があります。
一方、2棟目をあらかじめ購入しておけば、1棟目の賃料収入がなくなったとしてもカバーできます。
売却益増加が見込める
不動産投資の当面の目的は、十分な賃料収入を得ることですが、より長期的な視点で見ると、十分な売却益を得ることも目的の1つです。
このとき、投資用不動産を複数所有していれば、当然売却益の増加が見込めるため、リタイア後の生活は大きく変化するでしょう。
また、1棟しか所有していない場合、売却益を得るためには、売るもしくは売らないという選択肢しかありません。
一方、2棟所有していれば、1棟のみ売却し、もう1棟で不動産投資を継続するといった選択肢も生まれます。
例えば、子どもがいる方などは、1棟を売却して預貯金に変えておき、もう1棟で不動産投資を継続して、そのままの状態で相続できるようにするなど、相続の幅を広げることも可能です。
投資規模拡大のデメリット3選
一方、不動産投資の規模を拡大することには、以下のようなデメリットもあります。
- キャッシュフローの変化
- 手間と維持費の増加
- 不動産価格の変化
キャッシュフローの変化
不動産投資の規模を拡大させる場合、基本的には利用するアパートローンの数と借入額が増加します。
よって、これまで安定していたキャッシュフローが変化し、一時的に悪化する可能性もあるため、注意しなければいけません。
また「ローン残債が多い」ということに対し、思った以上に心理的な負担を感じることも考えられるため、1件目以上の綿密な運用計画を立てる必要があります。
手間と維持費の増加
物件数を増やし、不動産投資の規模を拡大させることで、当然ながらオーナーの手間や維持費、管理費などは増加してしまいます。
もちろん、物件数が増加したことにより、維持管理に手が回らなくなると、入居者からのクレームは増加しますし、空室ができることも考えられます。
当然、管理会社に物件管理を依頼していれば、オーナーが直接入居者のクレームに対応することはありません。
しかし、修繕を伴うようなクレームの場合、最終的な判断はオーナーが行わなければいけないため、不動産投資の規模を拡大させるのであれば、このような負担が増えることも考えておきましょう。
不動産価格の変化
不動産投資の規模を拡大させた後、不動産価格が全国的に急落してしまうと、下落具合によっては、1棟のみ所有しているときよりも打撃は大きくなります。
例えば、1億円で1棟の投資用不動産を購入した場合、不動産価格が半分にまで下落しても、売却時には5,000万円を確保できます。
一方、2億円で2棟を購入した場合に、不動産価格が購入時の1/4程度にまで落ち込むと、損失は1億5,000万円と非常に大きくなってしまいます。
投資の規模を拡大させるのであれば、このようなリスクも頭に入れておきましょう。
2棟目を購入すべきタイミングはいつ?
2棟目の投資用不動産を購入し、規模拡大を図るのに適したタイミングとしては、まず“1棟目の収支が安定したとき”が挙げられます。
やはり、1棟目のキャッシュフローをしっかりプラスにしなければ、規模を拡大しても失敗する可能性は高いです。
そもそも、赤字経営をしているような投資家に対し、新たに融資してくれる金融機関などほとんどありません。
また、その他でいうと、“不動産投資の実績ができたとき”も、規模拡大を図るタイミングとして適しています。
こちらは、ずばり1棟目の投資用不動産における、ローン返済の目途が立ったタイミングを指しています。
ちなみに、アパートローンを利用する際は、基本的に頭金をいくらか投入します。
そのため、2棟目の購入を視野に入れているのであれば、1棟目を経営しつつ、頭金を積み立てていくことも忘れてはいけません。
そう考えると、“頭金の目途が立ったとき”も、不動産投資の規模を拡大させるのに適したタイミングと言えます。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 不動産投資における投資規模の拡大は、相続やリスクへの対策となる
- 2棟以上所有していれば、売却時の利益が増加したり、選択肢が増えたりする
- 投資用不動産を追加購入すると、キャッシュフローが悪化しやすい
- 規模拡大後、不動産価格の下がり具合によっては、ダメージが大きくなることもある
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!