中古の投資用不動産を購入する場合、騒音の状況がどうなっているのかについては、必ずチェックしなければいけません。
なぜなら、騒音が出やすい物件の場合、オーナーはクレームや入居者間のトラブルに巻き込まれやすくなるからです。
ここからは、物件購入時の騒音チェックポイント、購入後の対処法について解説します。
この記事は約5分で読めます。
投資用不動産購入時の騒音チェックポイント
中古の投資用不動産を購入する方は、必ず以下のポイントをチェックし、騒音の程度を把握しなければいけません。
- 周辺環境
- 過去の騒音トラブル事例
- 住人
- ペット飼育の有無
- 共用部分
周辺環境
投資用不動産購入時の騒音チェックポイントとしては、まず“周辺環境”が挙げられます。
以下のような施設等が近くにある物件は、騒音が発生しやすいため、注意しなければいけません。
- 駅
- 学校
- 幹線道路
駅が近い物件は入居者を集めやすいですが、あまりに近い場合、電車の音や人の話し声が昼夜問わず聞こえるため、騒音は大きくなります。
また、学校が近い物件も、ファミリー世帯には人気がある反面、単身者世帯にとっては、少し騒がしく感じてしまうかもしれません。
そして、幹線道路沿いの物件は、時間帯を問わず通行量が多いケースがあるため、購入前に現地に赴き、騒音の程度を確認しておいた方が良いでしょう。
ちなみに、以下のような騒音を発しやすい“嫌悪施設”があるかどうかも、投資用不動産購入時には確認しておくべきです。
- 飛行場
- 航空基地
- トラックが出入りする物流施設 など
過去の騒音トラブル事例
投資用不動産購入時の騒音チェックポイントとしては、“過去の騒音トラブル事例”も挙げられます。
こちらは、不動産会社に対し、過去に当該物件で騒音トラブルが発生していないかどうか質問するというチェック方法です。
一見騒音とは無縁に見えても、過去の事例から問題が浮かび上がることもあるため、遠慮なく質問することをおすすめします。
住人
投資用不動産購入時の騒音チェックポイントには、“住人”も挙げられます。
例えば、すでにファミリー世帯が多く住んでいる物件の場合、子どもの鳴き声や走り回る音などにより、騒音が発生しやすくなります。
ペット飼育の有無
“ペット飼育の有無”も、投資用不動産購入時の騒音チェックポイントです。
すでに入居している住人がペットを飼っている場合、鳴き声による騒音が発生しやすくなります。
また、ペットを飼っている住人、飼っていない住人が両方住んでいる物件の場合、鳴き声が原因のトラブルは発生しやすくなるため、注意しなければいけません。
共用部分
投資用不動産購入時の騒音チェックポイントには、“共用部分”も挙げられます。
具体的には、以下の共用部分の清潔さをチェックすることで、騒音が発生しやすいかどうかがある程度わかります。
- エントランス
- 駐輪場
- 駐輪場
- 廊下
共用部分が汚れている場合、あまり住人のマナーが良くない可能性があります。
そのため、他の住人のことを気にせず、騒音を発する住人が多い可能性も、必然的に高くなるでしょう。
投資用不動産購入後の騒音における対処法について
さまざまなポイントをチェックし、投資用不動産を購入したとしても、騒音トラブルが起こらないという保証はありません。
では、購入後に騒音が発生した場合、オーナーはどのように対処すれば良いのでしょうか?
証拠を残す
投資用不動産購入後、騒音が発生した場合、オーナーはなるべく多くの証拠を残すようにしましょう。
具体的には、騒音の発生場所、時間、期間、大きさなどを記録しておきます。
こうすることで、実際騒音を発している方を早期に特定できます。
住民への聞き取り調査をする
投資用不動産購入後に騒音が発生した場合、オーナーは住民への聞き取りも実施しましょう。
こちらの調査をすることで、どれくらいの住人に迷惑がかかっているかがわかりますし、より騒音を発している張本人を把握しやすくなります。
注意勧告を行う
ある程度騒音に関するデータが集まったら、注意勧告を行います。
このとき、注意したいのが、騒音を発している本人を特定できているとしても、その1人に対して勧告を行わないということです。
実際、他の入居者に迷惑をかけていたとしても、当の本人が騒音を出していることにまったく気づいていないケースも挙げられます。
このような入居者に対し、「騒音は迷惑です」といった注意勧告をしてしまうと、トラブルに発展しやすくなるため、注意しましょう。
まずは、物件に住む全員が目にする掲示板などに張り紙を掲示して、注意を促す程度にとどめておきます。
それでも騒音が解消しない場合は?
注意勧告を行っても騒音が解消しない場合は、これまで収集したデータを元に、騒音を発している張本人に連絡しましょう。
まずは騒音を発しているという自覚があるかどうか、質問するところから始めます。
もし、自覚がないのであれば、音の種類や音が聞こえる時間帯などの情報を伝え、どのような行動が騒音になっているのかを理解してもらいます。
大抵の入居者は、自身が騒音を発しているということ、そしてそれが他の住人の迷惑になっていることを理解すれば、素直に改善してくれます。
しかし、個別に連絡し、注意喚起をしたにもかかわらず、一切入居者が聞き入れない場合は、退去を求めることも検討しましょう。
具体的には、内容証明郵便により、“〇年〇月〇日までにトラブル解消に協力してもらえない場合、賃貸借契約の解除を行う”といった内容を記した書面を送付します。
内容証明郵便を送付後、勧告に応じてもらえず、期日までに騒音問題が解決しない場合には、オーナーに賃貸借契約解除の法的効果が生じ、明け渡し請求も可能になります。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 投資用不動産購入時には、周辺環境の騒音具合をチェックすべき
- 過去に騒音トラブルがあった物件は、今後もトラブルが起こりやすい
- ファミリー世帯やペットを飼っている入居者は騒音を発しやすい
- 共用部分が汚れている物件は、入居者のマナーが良くない可能性がある
- 購入後、騒音が発生した場合は、段階を踏んで解決すべき
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!