不動産投資における理想の形は、常に満室状態をキープし、継続して安定収入を得ることです。
また、そのような状況を実現させるにあたって、物件の大家さんによる適切な“修繕”は日々欠かせません。
この記事では、大家さんが絶対に知るべき投資用不動産の修繕に関するさまざまなことについて解説しますので、興味がある方は最後までご覧ください。
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オーナーは必ず修繕を行わなければいけないのか?
民法では、投資用不動産のオーナーにおける修繕義務についてのルールが定められています。
具体的には、“賃貸物の使用収益に必要な修繕をする義務を負う”というルールです。
使用収益とは、物を直接活用し、利益もしくは利便を得ることをいい、オーナーは入居者に対して、必ずこちらが実現できる環境を提供しなければいけません。
そのために、投資用不動産の修繕は必須だということです。
ちなみに、修繕費用に関しても、基本的には投資用不動産のオーナーが負担しますが、賃貸借契約内に“賃借人(入居者)に原因がある場合、費用を賃借人に負担させる”という特約がある場合、すべてがオーナー負担とはなりません。
修繕積立金について
マンション投資では、“修繕積立金”というコストが発生します。
こちらは、マンションなどの区分所有建物において、大規模修繕工事に備え、管理組合が毎月積み立てる資金のことをいいます。
各部屋の所有者が、毎月決められた金額を支払うことで成り立つ資金で、共用部分全般の修繕工事費用に充てられます。
オーナーは、区分所有する部屋の賃料収入から修繕積立金を拠出します。
相場は10,000円前後と金額だけ見ればそこまで高額ではありませんが、所有物件数が1部屋のオーナーにとっては大きな負担になることもあるため、覚えておきましょう。
投資用不動産の修繕箇所について
投資用不動産を10年以上所有しているオーナーは、以下のような箇所の大規模修繕を行わなければいけない可能性が高いです。
- 屋上
- 外壁
- 床
- 鉄部塗装
- 給排水設備
- ガス、電気設備
- 消防設備
- エレベーター など
屋上や外壁、廊下や階段などの床に関しては、通常新築から12~13年程度で大規模修繕を行うケースが多いです。
しかし、中古の投資用不動産を購入した場合、購入から大規模修繕までの期間は上記より短くなるため、注意しましょう。
例えば、すでに10年近い築年数が経過している投資用不動産の場合、購入後すぐに大規模修繕に取り掛からなければいけないことがあるため、費用負担が大変になります。
ちなみに、給排水設備やガス・電気設備、消防設備やエレベーターなどの大規模修繕工事は、20~30年のスパンで行われるのが一般的です。
修繕費用を抑えるためのポイント
不動産投資における修繕費用を抑えるためには、とにかく大きな不具合が発生する前に対処することが大切です。
そのために、日ごろから目視点検を行い、管理会社に点検と修繕を細かく行ってもらいましょう。
また、自然災害が発生すると、予期せぬタイミングで高額な修繕費用が発生することがあります。
よって、安全確認や地震、台風などが去った後の設備における故障の有無に関しても、こまめに点検する必要があります。
もちろん、物件購入時の利回り計算では、必ず修繕費用を考慮しなければいけません。
水回りの修繕について
投資用不動産における共用部分以外の重要な修繕箇所の1つに、各部屋の“水回り”が挙げられます。
水回りは、入居者の目に付きやすく、なおかつ他の物件との比較対象になりやすいため、常に利用しやすく、清潔感のある状態にしておかなければいけません。
具体的には、以下の箇所が挙げられます。
- 浴室
- トイレ
- キッチン
また、投資用不動産の購入時には、上記の箇所において、購入後すぐに修繕費用が発生しないかどうか、チェックすることも大切です。
例えば、どれだけ費用が安くても、設置から20年以上経過している在来工法の浴室があるような物件は、購入を控えるべきです。
このような浴室の場合、バランス釜の故障などにより、ユニットバスに交換するとなると、100万円以上の費用がかかることもあります。
その他、キッチンや洗面台の下の排水管が破損していたり、曲がっていたりする場合も、購入後すぐに修繕費用がかかってしまうため、注意しましょう。
適切な修繕をしてくれる管理会社の選び方
適切な修繕を行ってくれる管理会社を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
- 修繕計画を把握しているかどうか
- 建築に関する知識を十分に持っているかどうか
修繕計画を把握しているかどうか
管理会社を選ぶ際は、長期修繕計画を把握した上で、状況に応じて管理組合に対し、適宜アドバイスをしてくれるかどうかを確認しましょう。
また、それと同時に、長期修繕計画に則って修繕が進められているかどうかもチェックすべきです。
これらは管理会社に直接質問したり、不動産会社に評判を聞いたりすることである程度把握できます。
逆に、長期修繕計画をしっかり把握できていない管理会社は、選択肢から外すべきです。
建築に関する知識を十分に持っているかどうか
適切な修繕をしてくれる管理会社を選ぶ際には、建築に関する知識を十分に持っているかどうかを見極めるのも大切です。
例えば、投資用不動産を建築した建築会社のグループ会社にあたる管理会社などは、建築のノウハウを豊富に持っている可能性が高いです。
また、投資用不動産の大規模修繕については、管理会社とは別の施工業者に依頼される機会も多いですが、管理会社が建築会社のグループ会社であれば、そちらに直接大規模修繕工事を依頼できる可能性があります。
こちらの方式による依頼が実施できれば、投資用不動産のオーナーは大規模修繕に関する要望などを伝えやすく、なおかつ工事終了後の不具合などに関しても、気軽に相談できます。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- オーナーは入居者の使用収益を実現するために、必要な修繕を行わなければいけない
- 修繕積立金の相場は月10,000円前後
- 中古の投資用不動産を購入した場合、すぐに大規模修繕が必要になるケースがある
- 大きな不具合が発生する前に対処すれば、修繕費用は抑えられる可能性が高い
- 各部屋の重要な修繕ポイントは水回り
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!