投資用不動産には、一般的な物件とは一線を画す特徴を持ったものがあり、その中の1つが“ペット可”の物件です。
これは、文字通り入居者におけるペットの飼育を認める物件を指していますが、不動産投資でペット可の物件を選ぶメリット・デメリットには、一体どのようなことが挙げられるでしょうか?
賃貸物件として非常に需要の高いペット可の条件、詳しく解説していきます。
この記事は約5分で読めます。
ペット可の物件で行う不動産投資のメリット4選
まずは、ペット可物件を選ぶメリットを見ていきましょう。
具体的には、以下の4つのことが挙げられます。
- 入居率が高くなりやすい
- 賃料を高めに設定できる
- 敷金を多く受け取りやすい
- 長く住んでもらいやすい
入居率が高くなりやすい
ペット可の投資用不動産を選ぶメリットしては、なんといっても“入居率が高くなりやすい”ということが挙げられます。
これは、ペットの飼育を希望している入居者に対して、飼育を認めている物件が少ないからです。
つまり、需要が供給を上回っているということです。
よって、多少不便な立地にあったり、設備が整っていなかったりしても、ペットを飼いたい方に対しては魅力をアピールできます。
これは大きなメリットと言えるでしょう。
賃料を高めに設定できる
ペット可の投資用不動産では、賃料を高めに設定することができます。
これも先ほどと同じく、一般的な物件と比べて需要が高いことが理由です。
ただ、あまりにも相場から乖離していると敬遠されてしまうため、事前に周辺における同じような間取りの賃料相場はチェックしておかなければいけません。
敷金を多く受け取りやすい
ペット可の投資用不動産には、“敷金を多く受け取りやすい”というメリットもあります。
敷金は賃料とは違い、退去時入居者に返還するものであるため、これがオーナーの収益に繋がるというわけではありませんが、多く受け取れる分、賃料の未払いやその他のトラブルには対応しやすいでしょう。
具体的には、一般的な投資用不動産の敷金が賃料の1ヶ月分程度であるのに対し、ペット可の物件は2~3ヶ月分ほど受け取れる可能性があります。
長く住んでもらいやすい
先ほどから何度も言っているように、ペット可の賃貸物件は決して供給数が多くありません。
よって、一度入居したら、同じような条件のペット可物件に転居するのは難しくなります。
つまり、入居者には比較的、長く住んでもらいやすい物件だということです。
また、大きく賃料が下落することも考えにくいため、入居者付けに成功すれば、オーナーは長期的に安定した収入を手に入れられるでしょう。
ペット可の物件で不動産投資を行うデメリット3選
需要が高く、安定した収入も見込めるペット可の物件ですが、当然選ぶことのデメリットもあります。
具体的には以下の通りです。
- 原状回復費用がかかりやすい
- クレームが発生しやすい
- イニシャルコストがかかりやすい
原状回復費用がかかりやすい
退去者が出たとき、オーナーはその部屋の原状回復をしなければいけませんが、ペット可の物件はその費用が高額になりやすいです。
なぜなら、ペットを飼うことによって、通常の物件にはあまりない以下のような汚れやキズなどが発生するからです。
- 壁や柱などのひっかき傷
- 尿などのニオイ
- 排水管に詰まった毛 など
もちろん、入居者がしっかり飼育していれば、そこまでひどい状況にはならないかと思いますが、ペットの飼育を許すのであれば、ある程度の汚れやキズ、そして原状回復費用は覚悟しておきましょう。
クレームが発生しやすい
ペット可の投資用不動産は、必ずしもペットを飼いたい方が入居するとは限りません。
中には、立地や間取り、設備などが気に入ったことがきっかけで入居する方もいます。
また、そのような方の中には、ペットの鳴き声やニオイなどに敏感な方がいる可能性もあり、オーナーや管理会社のもとにクレームを寄せることも考えられます。
このようなクレームを減らしたい場合、オーナーはペットを飼う方のみが入居する“ペット共生型物件”としての貸し出しを検討しましょう。
イニシャルコストがかかりやすい
ペット可の投資用不動産において、より入居者を集めやすくするには、さまざまな工夫が必要です。
具体的には、以下のような工夫です。
- コンセントの位置を高めにする
- ペット用の出入口を設置する
- 壁や柱にキズ防止の対策をする など
しかし、これらの工夫をするとなると、当然一般的な投資用不動産よりも、イニシャルコストはかかりやすくなってしまいます。
ペット可の物件で不動産投資を成功させるには?
ペット可の物件で不動産投資を成功させるには、とにかくトラブルへの対策を取ること、そしてよりペットを飼いやすい環境を作ることが重要です。
具体的に解説しましょう。
トラブルへの対策について
賃貸借契約書には、退去時に原状回復を負担してもらう箇所について明記しておきましょう。
また、ハウスクリーニング費用を退去時に負担してもらうことを条件にすれば、オーナーの負担は軽減されます。
もちろん、これらの特記事項は、賃貸借契約を結ぶ際、直接説明しておく必要があります。
ペットを飼いやすい環境づくり
先ほども少し触れましたが、ペットを飼いやすい環境づくりをすれば、より多くの方に選んでもらえる物件となります。
例えば、床材を傷つきにくいものと交換したり、クロスの下にシートやアクリル板、柱にウレタン系のカバーを設置したりといった工夫は、とても効果的です。
また、これらの工夫は、共用部分でも実践できます。
近年は、エントランスにペット専用の足洗い場を設置していたり、敷地内にドッグランを設けていたりする物件も見られます。
もちろん、予算の都合上、すべてを実践するのは難しいかもしれませんが、できるだけ多く手は打っておくべきです。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- ペット可の物件は需要が高く、賃料も高く設定できる
- ペット可の物件は数が少ないため、一度入居したら長い間住んでもらいやすい
- 原状回復費用、イニシャルコストがかかりやすいのがデメリット
- ペットが苦手な入居者からはクレームが出る可能性もあるので注意
- 共用部分にも工夫すれば、より入居者は集まりやすくなる
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!