投資用不動産を購入する際は、ターゲットに合わせて、物件の間取りや設備などをじっくりと精査しなければいけません。
また、入居者の目線で考えるのであれば、「治安が良いエリアの物件」を購入することも重要です。
ここからは、治安の良いエリアの判断基準や、治安を考慮した物件の探し方について解説します。
治安の良いエリアの判断基準は?
これから投資用不動産を購入する方の中には、「治安の良し悪しは何を基準に判断すれば良いのか?」という疑問を持っている方もいるでしょう。
そんな方は、以下の点をチェックしてください。
- 犯罪発生率
- 周辺施設
- 駅から物件までの道中
- 放置自転車の数
犯罪発生率
各エリアにおける治安の良さを判断する基準といえば、なんといっても”犯罪発生率“です。
これは、一定期間に発生した犯罪件数を、単位人口で割った数字であり、人口の多少に左右されず、多地域間の犯罪の発生のしやすさを比較するためのものです。
例えば、人口1万人のエリアAにおける年間犯罪件数が10件、人口5万人のエリアBにおける年間犯罪件数が20件だとします。
この数字だけだと、エリアBの方が年間犯罪件数は多いため、治安が悪いという風に見られがちですが、これを人口1,000人あたりの犯罪件数(犯罪発生率)に換算すると、それぞれのエリアの数字は以下のようになります。
- エリアA:10件/1万人×1,000=1.00
- エリアB:20件/5万人×1,000=0.40
上記の通り、人口1,000人あたりの犯罪件数、つまり犯罪発生率は、エリアAの方が高いという結果になりました。
どれだけ魅力的な投資用不動産であっても、犯罪発生率が極めて高いエリアの場合は慎重に検討すべきです。
特に、1人暮らしの女性などをターゲットにする場合は、真っ先に犯罪発生率をチェックしなければいけません。
周辺施設
治安が良いエリアかどうかは、購入しようとする投資用不動産の周辺にどのような施設があるのかを見ることでも、ある程度判断できます。
例えば、以下のような施設が数多く見られる場合は、お世辞にも治安が良いエリアとは言えません。
- 風俗店
- 居酒屋
- パチンコ店 など
逆に、幼稚園や小学校などが近い場合、その周辺に上記のような施設が建つ可能性は低いため、治安は比較的良いと判断できます。
また、教育機関などの施設が多いエリアは、教育的あるいは文化的な活動にも積極的であり、自然と地域社会の健全な繋がりも強くなります。
これは、街の安全に関与していく一因となるため、教育機関があるエリアも、ぜひ物件選びの選択肢に入れてみましょう。
駅から物件までの道中
治安が良いエリアの投資用不動産を購入したいのであれば、駅からその物件までの道中もチェックしておきましょう。
例えば、破損したままのフェンスやガードレール、長期間工事が中断している工事現場などがある場合は、犯罪あるいはケガに巻き込まれる危険性がないかどうか確認することをおすすめします。
また、昼間は明るくても、夜はとても薄暗い道中になることが考えられるため、時間帯を変えてチェックするのも良いでしょう。
放置自転車の数
治安が良いかどうかの判断基準としては、放置自転車の数も挙げられます。
街中には、本来駐輪してはいけないスペースなどに、自転車が放置されたままになっていることがあります。
また、これが街の至るところで散見される場合、その自治体は街の環境を維持する機能を発揮していないと考えられます。
つまり、犯罪などの対策も徹底されていない可能性があるということです。
よって、購入しようとする投資用不動産の周辺に、あまりにも多くの放置自転車があるという場合は、治安の悪さを疑った方が良いでしょう。
治安を考慮した物件の探し方について
では、実際治安を考慮して投資用不動産を探すには、どのように動けば良いのでしょうか?
おすすめの探し方としては、以下の方法が挙げられます。
- 防犯マップを活用する
- 現地を歩く
防犯マップを活用する
過去に発生した犯罪件数などを、地図上に色分けして表示した地図のことを“防犯マップ”といいます。
ひったくりや侵入窃盗、車上荒らし、自転車盗難など、身近な犯罪の発生状況を地図上に表示することにより、安全・安心な暮らしに役立てることを目的として、警視庁や道府県警察、自治体や学校などが作成しています。
治安の良いエリアの投資用不動産を購入する際には、欠かせないツールだと言えるでしょう。
ちなみに、東京都の場合は、ホームページ上において“犯罪情報マップ”という名称で、防犯マップを公開しています。
前述の犯罪概要を町丁目単位で確認できるほか、公然わいせつや子どもに対する声掛けなどの不審者情報も表示されます。
現地を歩く
防犯マップは、投資用不動産周辺の治安をチェックするためには有効なツールですが、より良いエリアで物件を購入するためには、実際に現地を歩くことも重要です。
先ほども触れた駅から物件までの道中、放置自転車の数に関しては、実際歩いてチェックしなければ、なかなか実情が把握できません。
まあ、特に事前情報がなかったとしても、現地を歩くことで、「この道は少し見通しが悪い」「このコンビニには若者がたむろしやすい」といったような、新しい情報を手に入れられる可能性もあります。
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どうしても治安が良くないエリアで物件を購入したい場合は?
間取りや利回りなど、あらゆる面で好条件の投資用不動産に出会ったにも関わらず、治安だけが良くないという場合は、購入後リノベーションを行い、物件自体のセキュリティ性を挙げることも検討しましょう。
例えば、以下の設備をリノベーションで設置すれば、多少治安が良くないエリアであっても、入居者の安全を確保しやすくなります。
- オートロック
- 防犯カメラ
- モニター付きインターホン
- ホームセキュリティ
- 窓のシャッター
- 複製が難しい鍵
- 防犯ガラス
- 防犯砂利 など
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 治安の良し悪しは犯罪件数ではなく犯罪発生率を基準にする
- 教育機関が多いエリアは治安が良い可能性が高い
- 駅から物件までの道中、放置自転車の数でも治安の良し悪しをある程度判断できる
- 治安をチェックする際は必ず防犯マップを活用し、現地調査も行う
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!