不動産投資で安定した利益を上げるにあたって、常に意識しておかなければいけない数字が“入居率”です。
また、高い入居率をキープするために必要なこととして、投資用不動産のリフォームが挙げられます。
ここからは、投資用不動産のリフォームにかかる費用について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事は約5分で読めます。
リフォーム費用の設定について
最初から数多くの設備が付帯していたり、室内の壁、床などの状態が良かったりする物件は、必然的に賃貸需要が高くなります。
ただ、賃貸物件で人気のある条件は、時間の経過によって変化していくものです。
そのため、物件購入後も時代の流れを読み、適宜リフォームを行っていくことは、非常に重要です。
また、今後不動産投資を行う方の中には、「リフォーム費用に相場はあるの?」という疑問を持っている方もいるでしょう。
実は、リフォーム費用に相場というものは存在しません。
いくらかけるべきなのかは、オーナーが自由に設定できます。
しかし、リフォーム費用費やしすぎると、当然回収するまでに時間はかかりますし、逆に抑えすぎると、なかなか新しい入居者が決まらない可能性があります。
よって、オーナーは以下のいずれかのスタンスを選択し、不動産を進めていかなければいけません。
- 多少コストを費やしてリフォームし、長期的な安定収入を狙う
- 空室期間ができることを我慢して、リフォーム費用を抑える
各リフォームにかかる費用の相場
先ほど、投資用不動産のリフォーム費用に相場はないという話をしました。
ただ、これはあくまで“リフォーム全体にかけるべき費用”の相場です。
それぞれのリフォームにかかる費用には、もちろん相場が存在します。
ここからは、以下の投資用不動産におけるリフォームと、それぞれにかかる費用がどれくらいなのかを見ていきましょう。
- キッチン
- バスルーム
- トイレ
- 床
- 壁、天井
- 設備の導入
キッチン
一般的に、キッチンをフルリフォームする場合には、50~150万円の費用がかかります(システムキッチンの場合)。
しかし、投資用不動産のリフォームで、各部屋にそれだけのコストを費やしてしまうと、なかなか回収できません。
よって、投資用不動産では、“公団キッチン”を選ぶことをおすすめします。
これは、公団住宅に設置されるようなタイプのキッチンで、システムキッチンのようにコンロは組み込まれていません。
ただ、ガスコンロを別で導入する方が、システムキッチンを取り付けるのと比べて圧倒的にコストは低くなります。
数万円程度でリフォームできることもあるため、ぜひ検討してみましょう。
バスルーム
例えば、ユニットバスを丸ごと交換する場合には、50万円以上かかることも珍しくありません。
そのため、投資用不動産でバスルームをリフォームするなら、なるべく丸ごと交換しなくて済む形を選びましょう。
具体的には、以下のようなリフォームです。
- 劣化がある場合は浴槽のみを交換する
- 壁が傷んでいる場合はバスパネルで補修する
トイレ
築年数の古い投資用不動産には、いまだに和式便器が設置されていることもあります。
これを洋式便器に交換する場合の費用は15万円程度ですが、他にもリフォームを実施するのかによって、費用は大きく変わってきます。
例えば、以下のようなリフォームです。
- 床材のリフォーム
- ウォシュレットの設置
ウォシュレットがあれば入居者の需要はアップしやすいですし、15,000円程度とそれほど費用もかからないため、このリフォームは必ず実施すべきです。
床
各部屋の床をリフォームする場合の費用は、どのタイプの床なのかによって変わってきます。
具体的には、以下の通りです。
床のタイプ | リフォーム費用 |
フローリング | 1㎡あたり7,000円程度 |
クッションフロア | 1㎡あたり2,000~3,000円程度 |
フロアタイル | 1㎡あたり4,000~5,000円程度 |
壁、天井
壁または天井の主なリフォームといえば、クロスの張り替えが挙げられます。
規模によって微妙に変わってきますが、一部屋丸ごとクロスを交換する場合は、大体40,000~50,000円程度の費用がかかります。
また、壁や天井の塗装は、一部屋あたり20,000円前後で実施できます(クロス張りがいらない場合)。
設備の導入
投資用不動産に設備を導入することは、正確にはリフォームではなくリノベーションに該当しますが、今回はリフォームの1つとして解説します。
各設備の導入にかかるコストは、それぞれ以下の通りです。
- シューズボックス:20,000円前後
- 浴室乾燥機:10~20万円
- 独立洗面台:10~20万円
- 追い炊き機能付き給湯器:ガスタイプ50,000~10万円、電気タイプ10万円~
- モニター付きインターホン:数万円~10万円
- 宅配ボックス:10万円前後
これらの中でも特に追加すべきなのは、やはり“独立洗面台”と“モニター付きインターホン”です。
単身者向けの投資用不動産を運営する場合、独立洗面台があるだけで、かなりの入居希望者が現れる可能性があります。
また、防犯設備の1つとして、モニター付きインターホンはどの層にも人気のため、できればグレードの高いものを付けておきましょう。
近年は、1人暮らしの女性が住んでいることを不審者に悟られないように、声色を男性に変えて、来訪者と会話ができるインターホンなども登場しています。
一切リフォームをしないのはアリ?
「可能であれば、投資用不動産のリフォームは一切したくない…」
これからオーナーとなる方の中には、このように考える方もいるでしょう。
ただ、どれだけ購入時点で設備が整っていても、どれだけ劣化のない綺麗な物件であっても、適宜リフォームをしなければ、少しずつ需要は下がっていきます。
また、一切リフォームをしていない物件は、投資用不動産のオーナーをリタイアする際になかなか買い手が付きません。
よって、リフォームをしないという選択肢はないと考えておきましょう。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- リフォーム費用を費やせば長期的な安定収入に繋がる
- キッチンにはコストの低い公団キッチンを導入するのがおすすめ
- トイレには必ずウォシュレットを設置すべき
- ターゲット層に関わらず、独立洗面台とモニター付きインターホンの導入は必須
- 不動産投資において、リフォームを一切しないという選択肢はない
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!