不動産投資は、当然利益獲得を目的に行うものですが、一切支出を出さずに行うことはできません。
ただ、不動産投資は立派な事業の1つであるため、かかった費用のいくつかは経費にすることができます。
ここからは、不動産投資の経費になる費用、ならない費用について解説していきたいと思います。
この記事は約5分で読めます。
不動産投資で経費にできる費用について
経費を多く計上するほど、不動産投資で発生する税金は安くなります。
なぜなら、所得税や住民税は、不動産投資で得た収入から経費を引いた金額に課税されるからです。
では、一体どんな費用であれば経費にできるのでしょうか?
具体的には以下の通りです。
- 投資用不動産の取得費
- ローン金利
- 管理会社依頼費
- 修繕費
- 交通費
- 勉強費
- 通信費
- 交際費
- 税金
- 専門家依頼費
投資用不動産の取得費
投資用不動産の取得費は、“減価償却費”という形で経費にできます。
これは、高額な取得費を取得年にまとめて経費計上するわけではなく、何年かに分けて計上することをいいます。
また、減価償却できる期間は、投資用不動産の“耐用年数”がどれくらいなのかによって異なります。
新築の投資用不動産の場合、構造別の耐用年数は以下のように決まっています。
構造 | 耐用年数 |
鉄骨造(厚さ3mm以下) | 19年 |
木造 | 22年 |
鉄骨造(厚さ3mm~4mm以下) | 27年 |
鉄骨造(厚さ4mm以上) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
ローン金利
ローンを組んで投資用不動産を購入したのであれば、返済額にかかる金利は経費として認められます。
金利の金額に関しては、ローン返済表に記載されているため、そちらを確認しましょう。
管理会社依頼費
不動産投資における賃貸管理は、管理会社に依頼するケースが多いです。
この際、もちろん支出は発生しますが、依頼費に関しては経費にできますので、安心してください。
修繕費
不動産投資を行っていると、定期的に建物・設備を修繕する必要性が出てきます。
これは、入居者に十分な生活環境を提供するためのものであり、必要な費用であるため、経費計上することが認められています。
交通費
不動産投資をするすべての方が、自身の住まいから近いところに投資用不動産を所有しているとは限りません。
また、遠隔地に投資用不動産を所有している方は、管理のため物件を訪れる際などに、車あるいはその他の公共交通機関を利用することになります。
このときにかかるガソリン代、駐車場代、切符代などは、立派な不動産投資における経費です。
勉強費
投資用不動産を購入するにあたって、あるいは不動産投資を始めるにあたって、勉強するために書籍を購入した場合、その費用は経費にできます。
もちろん、全国各地で開催されているセミナーの参加費も、経費計上が可能です。
通信費
投資用不動産購入にあたっての情報収集をするには、パソコンなどのデバイスが必要不可欠です。
このパソコンを不動産投資専用のものとして使用する場合、その購入費用は経費にできます。
また、不動産会社や管理会社と業務上の連絡をした場合の通話料も、経費として計上することが可能です。
交際費
不動産会社や管理会社の担当者と直接会い、打ち合わせをした際などにかかる飲食費は、交際費として計上することが認められます。
税金
投資用不動産を取得する場合、または保有する場合には、以下のような税金がかかります。
- 登録免許税
- 印紙税
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
また、これらの税金は、経費にすることが認められています。
専門家依頼費
投資用不動産を購入したり、不動産投資を行ったりする場合、あらゆる専門家の力を借りる場面が出てきます。
例えば、登記をする際は司法書士、確定申告をする際は税理士に依頼するケースがほとんどです。
また、専門家に業務を依頼する際には、当然費用がかかりますが、これも不動産投資の経費にすることが可能です。
不動産投資で経費にできない費用とは?
一方で、不動産投資で経費にできない費用には、どのような費用が挙げられるのでしょうか?
主に以下の費用は経費にはできませんので、覚えておきましょう。
- ローン元金
- プライベートでかかった費用
- リノベーション費用
- 所得税、住民税、法人税
- スーツ購入費
ローン元金
先ほど、ローンの金利部分に関しては、経費にできるという話をしました。
ただ、これはあくまで“金利”の部分のみに言えることです。
元金つまり融資された金額部分に関しては、経費としては認められないため、覚えておきましょう。
プライベートでかかった費用
これは、あらゆる費用に共通して言えることなのですが、不動産投資で経費にできるのは、あくまで不動産投資に関係のある費用です。
よって、以下のような費用は経費にできません。
- プライベートで旅行に行った際のガソリン代、駐車場代、切符代
- 不動産投資に関係のない書籍の購入費
- 趣味で使うパソコンの購入費
- 家族、友人と食事をした際の飲食費 など
リノベーション費用
不動産投資を行っていると、適宜建物や設備の修繕を行うための費用が必要になりますが、これはあくまで“修繕費”です。
建物の性能をアップさせるためのいわゆる“リノベーション費用”は、経費の対象外となります。
所得税、住民税、法人税
所得税、住民税、法人税といった税金は、不動産投資のオーナーでなくても課税対象になり得ます。
よって、“不動産投資にかかる税金”という扱いにはならず、経費計上することもできません。
スーツ購入費
不動産会社や管理会社と直接会う際は、身なりを整えるためにスーツを着用するという方も多いでしょう。
そのため、スーツの購入費用に関しては、経費計上できるように思えますが、実際はそうではありません。
これは、単なる“ファッションアイテム”としてカウントされるため、経費にすることは不可能です。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 投資用不動産の購入費は耐用年数に応じた期間経費にできる
- ローンは金利部分のみ経費計上が可能
- その他、不動産投資に必要な費用は大体経費にできる
- プライベートでかかった費用は一切経費にできない
- リノベーション費用、スーツ購入費など、経費にできない意外な費用もあるので注意
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!