不動産投資をするなら損益通算を知っておこう!

不動産投資をするなら損益通算を知っておこう!

不動産投資を始めた方の多くが悩むポイントとして、節税があります。

そのために知っておくべきことは、“損益通算”です。

株式投資をしたことがある人なら、損益通算という言葉を聞いたことがあるでしょう。

しかし、不動産投資には関係ないと思っている人も多いようです。

不動産投資で節税する方法を知りたい

損益通算って、不動産投資に関係あるの?

どうやったら、損益通算で効果的に節税できるの?

このような疑問をお持ちの方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

不動産投資の損益通算について、詳しく解説していきます。

この記事は約5分で読めます。

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損益通算とは?

損益通算とは?

投資をする主な目的は、“利益を得る”ことです。

しかし、NISAなどの特別な例を除いて、その利益には税金がかかります。

ですが、投資は利益を得るばかりではありません。

どうしても、損をしてしまう場面が出てくるでしょう。そのときは、税金を減額えるのでしょうか?

当然ですが、そんなことはありません。

しかし、所得を申告する時に何らかの損失がある場合、場合によってはその損失分を差し引くことができるのです。

そうやって、損失分を収入と相殺することができるのが、損益通算です。

それができるのは、所得の分類の中でも、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4つです。

それ以外に分類される所得では出来ないのですが、不動産投資は不動産所得や譲渡所得になるので、問題なく損益通算できるのです。

サラリーマンの場合は、不動産投資によって損失が出た場合、その分を給与所得から差し引くことができます。

具体的に、どうなるのかを表にして見てみましょう。

給与所得 800万円 600万円
所得税率 23% 20%
不動産所得 -300万円 -800万円
課税所得 500万円 0円
所得税率 20% 0%

表の通り、本来は給与所得が800万円あると、所得税として23%を納めなくてはいけません。

しかし、不動産投資によって300万円の損失があった場合は、その分を差し引くことができるので最終的な所得は500万円となり、所得税率も20%になります。

給与所得が600万円なら、所得税率は20%です。

しかし、不動産投資によって800万円の赤字を出してしまった場合、合計ではマイナスになってしなうので、課税所得は0円として扱われます。

そのため、所得税も納める必要はありません。

このように、不動産投資で損失が出た時は、必ず損益通算をした方がいいのです。

ちなみに、給与所得の税金は直接差し引かれているので、不動産所得については別途確定申告をしなくてはいけません。

きちんと申告すれば、余分に納めた税金は後日返還されます。

所得について

所得について

先ほども言いましたが、サラリーマンの本来の所得となるのは給与所得です。

不動産投資の結果が赤字なら、その本来の所得にかかる税金を安くできます。

しかし、不動産投資をしているのがサラリーマンばかりとは限らないでしょう。

所得についてさらに細かく分けると、4つの種類があるのです。
それは、以下の通りです。

給与所得 会社員として働いて、会社から給与として受け取ったもの
利子所得 銀行などの預貯金、および保有する国債や社債などから利子として受け取るもの
配当所得 株式を所有することでもらえる配当や、投資信託の分配金など
雑所得 他の所得に分類されないもの。年金や講演料、印税などが該当する。

主な所得には、こうしたものがあります。

何が違うのかといえば、これらの所得はマイナスになるものではないのです。
そのため、この4つの合計を基礎として、損益通算を行うのです。

赤字について

損益通算を行うのは、不動産所得が赤字になっている場合です。

それはつまり、不動産からの収入より経費の方が高くなっているということです。

しかし、それほど赤字になることがあるのでしょうか?

不動産投資における主な収入は、以下の通りです。

  • 家賃
  • 入居時の礼金
  • 賃貸契約の更新料
  • 物件の共益費

経費が、これを上回るようであれば、赤字ということになるのです。

では、経費には何が含まれるでしょうか?
経費として計上されるのは以下の通りです。

  1. 減価償却費
  2. 固定資産税
  3. 管理費
  4. 老朽化や破損時に伴う修繕費
  5. 火災保険などの損害保険料
  6. 物件購入時の借入金

この中で、重要となるのが“減価償却費”です。それ以外の経費とは、明確に異なる点があるのです。

それは、“現金の支出を伴わない”という点です。

減価償却費は、固定資産に対して使われるものです。

固定資産は高額なものなので、購入した年にすべてを計上しても利益を大幅に上回ることになり、損益通算の面で見ると無駄が多くなってしまいます。

そこで、分割して計上していくことで、毎年少しずつ利益から差し引くことができるようになっているのです。

このように、現金の支出を含まない赤字のことは、会計上の赤字といいます。
減価償却以外の、現金を支出するものは、キャッシュフローの赤字として区別しているのです。

その違いについても、覚えておきましょう。

家賃収入は、キャッシュフローにおいて黒字を作るために必要となる、収入です。

それに対して、減価償却費が作るのは会計上の赤字なので、別のものとして扱わなければいけないかと思うかもしれません。

しかし、実際には“相殺することが可能”です。

どのように減価償却費を計算するのか、マンションを例にして考えてみましょう。

ほとんどが鉄筋コンクリート造なので、新築から47年が耐用年数と決められています。

では、築10年のマンションを購入した場合、耐用年数は37年になるのかというと、実はそうではありません。

耐用年数の計算は、以下のように定められています。

築年数>耐用年数 法定耐用年数×20%
築年数<耐用年数 法定耐用年数―築年数×80%

つまり、築10年のマンションなら、耐用年数は47-10×80%=39年となります。

47年を超えた場合、一律で耐用年数は9年(端数切り捨て)として計算します。
その間、減価償却ができるのです。

減価償却には、定額法と定率法という計算方法があります。

定額法は、毎年同じ金額を差し引いていくシンプルな方法です。

ただし、単に取得価格を耐用年数で割ればいい、という訳ではありません。

定額法の計算は、取得価額に定額法で定められている償却率をかけて行います。

この償却率は、耐用年数に応じて国税庁が定めています。

先ほどの例でいう39年なら、0.026と決まっているのです。

それに対して、定率法は前半の償却費を大きくして、後半をどんどん少なくしていく方法です。

具体的には、まだ償却していない部分に毎年定率法で定められている償却率をかけていくのです。

この場合の償却率は、0.067となっています。

どちらで計上するかは、自分で選ぶことができます。

定率法は多少計算が難しいのですが、より節税効果が高い方を選ぶために、両方とも計算してみることをおすすめします。

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損益通算の目的

損益通算の目的

では、何のために損益通算をするのかといえば、それは節税のためです。
確定申告をすることで、一度納めた税金から余分と判断された分が還付されるのです。

つまり、給与などで想定された収入が低くなるので、その差額分の税金が戻ってくることになります。

より詳しく言うなら、税金は所得に応じて課せられるのですが、所得に不動産投資の赤字分を合わせることで、所得を下げる、言い換えると圧縮することができます。

そのために必要なのが、本業以外での所得で赤字を作ることです。

ここでは、その赤字を作る役割を担うのが、不動産所得になるのです。

先ほども説明したように、本来800万円の所得があったとして、そこにマイナス300万円の不動産所得があった場合、所得は500万円に圧縮されます。

その結果、年間の所得を800万円として計算されて毎月引かれていた税金と、

収500万円で計算した際の税金との差額を、還付してくれるのです。

その際は、所得税だけではなく住民税も対象です。

こうして、赤字を創り出すことで課税所得を下げることは、節税に効果的です。

特に、給与所得が高い人には、こういった方法が向いているでしょう。

より効果的にするには、気を付ける点があります。

それは、キャッシュの移動を伴わない、会計上の赤字を多くすることです。

つまり、減価償却費を多くとるのが大切なのです。

そうすれば、不動産所得は一見して赤字になっても、それは会計上のことであり、キャッシュフローだけを見ると黒字になっているなら、時間と共にお金は増えていくのです。

具体的な計算について

具体的な計算について

では、損益通算の計算を、具体的に解説します。損益通算は、以下の3ステップで行います。

  1. 本業における所得
  2. 不動産における所得
  3. 本業の所得と不動産の所得の合算

それぞれ、詳しく確認していきます。

本業における所得

本業として計上される所得は、先ほども記述しましたがこの4つです。

給与所得 会社員として働いて、会社から給与として受け取ったもの
利子所得 銀行などの預貯金、および保有する国債や社債などから利子として受け取るもの
配当所得 株式を所有することでもらえる配当や、投資信託の分配金など
雑所得 他の所得に分類されないもの。年金や講演料、印税などが該当する。

このうち1つとは限らないので、当てはまるものはすべて合算して、収入がいくらになるのかをまず明確にします。

不動産における所得

不動産の所得は、収入から経費を差し引いたものです。不動産の収入にあたるものと、経費にあたるものは下の表のとおりです。

不動産収入 不動産経費
・家賃

・礼金

・更新料

・共益費

・減価償却費

・修繕費

・固定資産税

・損害保険料

・管理費

・銀行からの借入金の返済・利子など

それぞれ、このような項目が含まれています。

そして、不動産収入の合計から、不動産経費の合計を差し引いたものが、不動産所得となるのです。このとき、マイナスになった場合もそのまま計上されます。

ただし、損益通算をする際には注意しなくてはいけない点があります。

それは、“銀行への返済に含まれている、利子の部分”です。

実は、この分に関して、一部は損益通算ができないのです。

不動産投資をしている人の多くは、銀行からその資金を融資してもらっているでしょう。

その融資された元本が、経費として計上できないのは当然なのですが、実は土地を取得する際にかかる銀行への返済利子も、経費としては計上できないと定められているのです。

そのため、含めて計算しないように注意しましょう。

もう少し詳しく言うと、不動産投資で物件を購入するとき、ほとんどのケースでは土地と建物、設備を含めて購入します。

そのため、融資を受けた資金に関しても、土地の分と建物の分、設備の分とひとまとめになっているのです。

このうち、建物と設備を購入するために使った資金にかかる利子は、経費として計上しても問題はありません。

しかし、土地の部分だけは経費として計上できないのです。

不動産を取得するために、5,000万円の融資を受けた場合を例にして、表で示してみます。

元本返済分 利子返済分
土地:2,500万円 経費として計上できない 経費として計上できない
建物:2,000万円 経費として計上できる
設備:500万円 経費として計上できる

自分で経費の計算をするときは、土地の価値とその分の利子について、きちんと確認して計算しましょう。

本業の所得と不動産の所得の合算

最後に、本業と不動産それぞれの所得を合計していきます。

順序としては、まず本業の所得と不動産所得を合計します。

それ以外に損益通算ができる、事業所得や譲渡所得、山林所得などがある場合は、この順番で計算していきます。

総所得が赤字になった時点で計算は終わりですが、ならなかった場合は総所得金額として計算します。

そうして、最終的な税金を算出します。

不動産所得の赤字は、真っ先に差し引かれる項目なので、重要度が最も高いといえるでしょう。

そこに間違いがあると、計算は最初からやり直しになってしまうので、注意点を確認して間違いがないように計算してください。

まとめ

【まとめ】不動産投資をするなら損益通算を知っておこう!

不動産投資において、損益通算がいかに重要なのかを解説しました。

常に赤字となるのは困りますが、たまたま赤字になった年などは節税するために、きちんと計上しましょう。

減価償却費によって、黒字でも赤字になることもあります。

その場合も、利子などの内訳に注意しながら、きちんと計算していきましょう。

そうして、不動産投資の利益がなるべく大きくなるようにしてください。

 

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