投資用不動産の購入後は、必ず一から入居者付けをしなければいけないわけではありません。
場合によっては、入居者が残っている物件を、前のオーナーから引き継ぐケースもあります。
これを“オーナーチェンジ物件”と言いますが、このような物件を購入する際のポイントには、どんなことが挙げられるでしょうか?
この記事は約5分で読めます。
入居者が残っている物件のメリット
まずは、入居者が残っている物件を引き継ぐことのメリットを見ていきましょう。
具体的には、以下のことがメリットとして挙げられます。
- すぐに利益を得られる
- 利回りが計算しやすい
- 安価で購入できることが多い
すぐに利益を得られる
入居者が残っている状態で投資用不動産を購入すれば、すぐに利益を得ることができます。
すべて空室の投資用不動産を購入する場合、まずは入居者付けを行わなければ利益が生まれませんので、すぐ収入に繋げられるというのは大きなメリットです。
もちろん、満室の状態で購入すれば、なおさらそのメリットは大きくなります。
利回りが計算しやすい
投資用物件購入前の利回り計算は、一般的に満室時を想定して行われます。
ただ、すべて空室の物件では、購入後空室が埋まらず、当初予定していた利回りがなかなか達成できないということも考えられます。
一方、入居者が残っている物件は、すでに引き渡される時点の入居者の数が確定しています。
そのため、利回りは計算しやすいです。
安価で購入できることが多い
入居者が残っている投資用物件は、すべて空室の物件と比べて、安価で購入できることが多いです。
これは、入居者がいるため、購入後すぐ売却できないなど、所有者の使用が一部制限されることが主な理由です。
ただ、よっぽどのことがなければ、購入した投資用物件をすぐ売却することはないと思うので、安く手に入れられるというのはとても優れた点と言えるでしょう。
入居者が残っている物件のデメリット
一方で、入居者が残っている物件には以下のようなデメリットもあるため、あらかじめ把握しておきましょう。
- 室内状況を確認できない
- 入居者を選べない
- 賃料設定が適切でない場合がある
室内状況を確認できない
入居者が残っている状態の投資用不動産は、購入前に室内状況を確認できません。
これはもちろん、入居者のプライベートに配慮する必要があるからです。
よって、購入後に内装がひどく傷んでいたり、付帯設備の動作不良が発覚したりする可能性は否定できません。
入居者を選べない
すべて空室の投資用不動産では、購入したオーナーが一から入居者を選ぶことができます。
そのため、属性などを厳しくチェックし、優良な入居者ばかり集めることも不可能ではありません。
一方、入居者が残っている投資用不動産の場合、一から入居者を選ぶことはできません。
また、残っている入居者の中には、賃料を滞納したり、マナーが悪かったりする人物が含まれている可能性もあります。
賃料設定が適切でない場合がある
入居者が残っている投資用不動産の中には、長い間賃料設定が変わっていないところもあります。
相場より賃料設定が高い場合、しばらくは利益を上げやすい状況が続きますが、これまでの入居者が退去してしまうと、一気に収入が落ちる可能性があります。
なぜなら、新しく入居者を募集する場合、これまでの高い賃料設定では誰も入居してくれないからです。
入居者が残っている物件を購入する際のポイントは?
では、入居者がいる物件を購入する際は、どのようなポイントをチェックすれば良いのでしょうか?
以下のポイントについては、必ず押さえておきましょう。
- 入居状況
- 管理会社の信頼性
- 敷金の有無
- 物件関連の書類
- 売却理由
入居状況
実際はそれほど部屋が埋まっていないにも関わらず、売主がいわゆる“サクラ”の入居者を雇い、満室に見せかけて売却するという悪質なケースがあります。
このような投資用不動産を購入してしまうと、当初の利回りは当然達成できなくなるため、注意しましょう。
特に、日中にも関わらず、カーテンが閉め切られている部屋が多い物件は、その可能性を考えるべきです。
管理会社の信頼性
引き渡される時点で入居者がいるからといって、その入居者がすぐ退去しないとは限りません。
そのため、購入後すぐ空室が目立つ状況になったときのことを想定して、集客力と信頼性が期待できる管理会社に管理を依頼しましょう。
敷金の有無
入居者がいる投資用物件を購入する際は、前オーナーが入居者から敷金を預かっているかどうかもチェックしましょう。
敷金がある場合は、基本的には物件と一緒に引き継ぎ、入居者が退去するタイミングで返還しなければいけません。
物件関連の書類
先ほど、入居者が残っている投資用不動産は、購入前に室内状況をチェックできないという話をしました。
よって、物件関連の書類に関しては、隅々まで目を通しておく必要があります。
例えば、以下のような書類です。
- 設備一覧表
- 重要事項調査報告書
- 重要事項説明書
- レントロール など
ちなみに、“レントロール”とは、投資用不動産の賃貸借条件を一覧表にしたものをいいます。
部屋別に賃料、敷金の有無、契約日、契約期間等の契約条件が記されているほか、入居者の属性が記載されていることもあります。
これをチェックすれば、購入時の判断材料になりますし、サクラの存在も見抜くことが可能です。
売却理由
入居者がいる投資用不動産を購入するなら、売却理由も必ずチェックしなければいけません。
どれだけ条件が優れている物件であっても、売りに出されている以上、手放す理由が必ずあるからです。
もちろん、「体力的に不動産投資が厳しくなった」「私生活でまとまった資金が必要になった」といった売却理由であれば問題ありませんが、特に正当な理由が伝えられない場合は注意しましょう。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 入居者がいる投資用不動産は安価で、利益もすぐに手に入る
- 入居者がいることで、購入前の利回り計算もしやすい
- 入居者が残っている投資用不動産は、購入前に室内状況をチェックできない
- 購入前には入居状況や物件関連の書類、売却理由などを必ずチェックすべき
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!