一棟マンションで不動産投資を始めようとする方は、購入時に入居者受けの良い設備があるかどうかチェックしなければいけません。
中でもチェックしていただきたい設備の1つに、“バルコニー”が挙げられます。
今回は、一棟マンションの投資用不動産を購入時にチェックすべき各バルコニーの種類とメリット・デメリット、より入居者を集めやすくするための工夫について解説します。
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一棟マンションのバルコニーの種類
一棟マンションの各部屋に付帯しているバルコニーには、主に以下のような種類があります。
- ルーフバルコニー
- L字バルコニー
- インナーバルコニー
- サービスバルコニー
それぞれの特徴とメリット・デメリットを見てみましょう。
ルーフバルコニー
1つ下の階の屋根を利用して作ったバルコニーを“ルーフバルコニー”といいます。
タワーマンションなど、階数の高い物件に設置されていることが多いです。
また、そんなルーフバルコニーには以下のようなメリットがあります。
- 空が見えるため開放感がある
- 日当たりが良い
- スペースが広い
- 部屋の中が覗かれにくい
一方で、入居者にとって以下の点は、ルーフバルコニーのデメリットと言えます。
- 使用料が発生する
- 細かい規則がある
ルーフバルコニーは、マンションにおいて共用部分という扱いになるため、使用する入居者が現れた際、オーナーは別途使用料を受け取ったり、細かい使用のルールを定めたりしなければいけません。
しかし、これらの内容が厳しすぎると、使用する入居者が現れず、せっかくのルーフバルコニーがただの無駄なスペースになってしまう可能性もあるため、注意してください。
L字バルコニー
一般的にバルコニーと聞くと、直線的なものをイメージする方が多いかと思いますが、“L字バルコニー”はその名の通り、部屋を囲むように設置されたL字のバルコニーをいいます。
一棟マンションでは、角部屋にのみ設けられるのがL字バルコニーですが、こちらには以下のようなメリットがあります。
- 日当たりが良い
- 異なる方角に繋がっているため、違う景色を眺められる
- 複数箇所から外に出られる
もちろん、先ほど触れたように、L字バルコニーが設置された部屋は必然的に角部屋となるため、そもそも入居者に選ばれやすいです。
一方、L字バルコニーには以下のようなデメリットもあります。
- 掃除に時間がかかる
- 部屋が暑くなりやすい
L字バルコニーがある部屋は日当たりが良い反面、夏場などは暑くなりやすい可能性がありますし、バルコニーも広い分掃除に時間がかかります。
よって、これらの点がマイナスポイントとなり、入居を見送られてしまう可能性もゼロではありません。
インナーバルコニー
建物の内部にある屋根付きのバルコニーを“インナーバルコニー”といいます。
通常のバルコニーは、マンションの壁から外側にせり出していますが、インナーバルコニーは内側に収まっているため、外から建物を見たときにせり出した部分がありません。
また、インナーバルコニーにおける入居者側のメリットには、以下のことが挙げられます。
- 天候に左右されない
- 部屋としても使用できる
バルコニーはベランダとは違い、通常屋根が付いていません。
そのため、天気が悪ければ洗濯物を干すことなどはできませんが、インナーバルコニーは室内にあるため、いつでも天候を気にせずに使用できます。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 日当たりが良くない
- 間取りが複雑
インナーバルコニーがある部屋は、日当たりがあまり良くない上に、制約のある複雑な間取りになります。
よって、入居者に敬遠される可能性は十分にあります。
サービスバルコニー
一般的に、小さめの面積のバルコニーを“サービスバルコニー”といいます。
マンションでは、キッチンの横などに設けられていることが多いです。
また、サービスバルコニーには以下のメリットがあります。
- キッチンの採光、風通しが良くなる
- ビン類、ゴミなどを一時的に外に出しておける
サービスバルコニーにはこれといったデメリットがありませんが、あくまでサブバルコニーであるため、こちらを重視する入居者は決して多くありません。
よって、キッチンの設備を整えたり、使い勝手を良くしたりしないと、オーナーが入居者を集めるための大きな武器とはならないでしょう。
より入居者を集めやすくするためのバルコニーの工夫
一棟マンションのオーナーは、より入居者に物件の魅力を感じてもらえるよう、バルコニーに以下のような工夫を施すべきです。
- トップレールを付ける
- 手すりの素材にこだわる
トップレールを付ける
バルコニーの腰壁、パラペットの上部に取り付ける手すりのことを“トップレール”といいます。
メーカーによっては、ベランダ柵そのものをトップレールと呼ぶこともありますが、正確には前述の意味が正しいです。
こちらが設置されていれば、入居者は壁が厚くても、問題なく布団を干すことができるため、使い勝手が良くなります。
逆に、トップレールがない場合、壁が厚く布団バサミが使用できないことも考えられます。
手すりの素材にこだわる
バルコニーをより魅力的なものにするためには、手すりの素材にもこだわりましょう。
手すりの主な素材としては、以下のものが挙げられます。
- ガラス
- コンクリート
- 縦格子
ガラスの手すりは、部屋の入る光の量が多くなり、明るい雰囲気を出せる反面、低層階の場合は少しが外部からの視線が気になります。
また、コンクリートの場合、手すりの高さまでは外からの視線を完全にシャットアウトできますが、他の素材と比べて、日当たりと風通しには少し難があります。
そして、縦格子の手すりは、もっとも採光と通風を確保できる素材であるものの、格子の密度が低い場合、高層階ではものの落下や転落の危険性が高まります。
これらの素材のメリット・デメリットをうまく補填できるよう、素材や形状を工夫するのが理想です。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- ルーフバルコニーは広々としているものの、使用料がかかるため、入居者に敬遠されることがある
- L字バルコニーは使い勝手が良いものの、室内が暑くなりすぎる可能性がある
- インナーバルコニーは天候に左右されず使用できるものの、日当たりが弱い
- バルコニーの工夫をすれば入居者は集まりやすくなる
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!