投資用不動産として、ワンルームマンションは人気があります。
しかし、ワンルームマンションといっても間取りには様々な違いがあります。
購入するなら、人気がある間取りの物件を購入するべきです。
それは、どのような間取りなのでしょうか?
この記事は約5分で読めます。
間取りについて、どのくらい知っている?
そもそも、間取りについてはどの程度ご存じでしょうか?
間取りは、住宅の中でどのように部屋が配置されているか、ということを示すものです。
もう少し細かく言うと、リビングやキッチン、ダイニング、寝室、トイレ、お風呂などの各設備の広さや、どう配置されているかを示したものです。
その内容は、図面で記されており、その図面を“間取り図”といいます。
賃貸住宅を借りる人は、まず間取り図を見てその物件を借りるかどうかを決めています。
つまり、間取り図は賃貸需要に大きく関わってくるのです。
そのため、投資用不動産を選ぶなら、まずは間取り図の見方を覚えなければいけません。
しかし、改めてみるとよくわからないところも多いでしょう。
一般的な、1DKや2LDKといった間取りなら、誰でもご存じかと思います。
ところが、間取り図をより詳しく見た場合は、もっと細分化されているのです。
中には、見覚えのないものもあるかと思います。
基本的な種類としては、「1R」、「1K」、「1DK」、「1LDK」などがあります。
ワンルームマンションは、「1R」です。
しかし、間取り図を見ると、「S」や「LF」と書かれているものもあります。
これが何か、わかるでしょうか?
「S」と書かれているのは、サービスルームを示します。
その名前だと客室のようにも思えますが、別名では納戸です。
正確には、建築基準法の基準として、居室としては扱えない部屋のことをいいます。
建築基準法では、居室として扱う条件として窓などの採光があります。
床面積の7分の1以上の採光がなければ、居室としては扱えないのです。
そのため、条件を満たせない部屋はサービスルームという扱いになるのです。
部屋数を数えるとき、サービスルームは部屋数に含まれません。
そのため、実質的には1部屋少ないものとして扱われるのです。
その分、不利になる可能性が高いでしょう。
また、「DEN」と記載された部屋もあります。
これは、サービスルームと同様に扱われる部屋ですが、書斎を意味します。
DENはほら穴という意味で、読書や趣味を楽しむ空間としてこのように呼ばれます。
「LF」 は、ロフトのことです。
これも、建築基準法で部屋にはカウントされないことが定められています。
ただし、ロフトの注意点としては、明確な規制がないという点が挙げられます。
行政庁によって、ロフトに対する規制はバラバラで、統一されていません。
そのため、もしマンションを新築するようなことがあれば、ロフトについては事前に各行政庁に確認してから設計したほうがいいでしょう。
「R」と書かれているのは冷蔵庫置き場、「W」と書かれているのは洗濯機置き場です。
「CL」はクローゼットのことで、特に広い場合はウォークインクローゼットになり、「WIC」と記載されます。
「SIC」はシューズインクローゼット、つまり靴の収納スペースです。
あまり注目されませんが、「MB」は電気やガスなどのメーターの設置スペース、「PS」は配管を通すためのパイプスペースです。
こうしたものは、間取り図で省略されていることも多いでしょう。
広さについては、多くの場合は畳や帖で記載されていますが、時折㎡や坪で記載されていることもあります。
1畳はおよそ1.62平方メートル、坪はおよそ1.8m×1.8mです。
1坪=2畳と考えてください。
マンションの違いについて
ワンルームの場合、「1R」と表記されるのは、先ほども言った通りです。
しかし、「1K」や「1DK」、「1LDK」のように、最初に1とついていれば全部ワンルームなのでは?と思っている人もいます。
ワンルームと、それ以外では、どのような違いあるのかを解説します。
1R
まず、1Rについてです。
これは一般的なワンルームマンションのことで、玄関から居室まで仕切りがない物件です。
その間には、キッチンもあるでしょう。
ワンルームといわれるタイプは、トイレや浴室、押し入れやクローゼットなどにはドアがありますが、それ以外はありません。
全体的にひとつながりになっている部屋が、そう呼ばれます。
1K
1Kになると、キッチンと居室の間に仕切りが付きます。
ワンルームと同じ間取りでも、ドア1枚を追加するだけで1Kになるのです。
ほとんどの場合、キッチンと同じスペースにトイレやお風呂へとつながるドアがあります。
キッチン用のスペースは、4.5畳までです。
それ以上大きければ、ダイニングキッチンになります。
つまり、4.5畳以上のキッチンがあると、1DKになるのです。
それだけの広さがあれば、食事をするためのスペースも確保できるからです。
LDK
キッチンに付随するスペースが8畳以上になると、LDKです。
キッチンとダイニングに加え、くつろいで過ごせるだけの広さがある空間があれば、リビングとなります。
居室とは別にそのようなスペースがあると、1LDKになるのです。
1Rと1Kの違い
1Rと1Kの違いは、キッチンとの間に仕切りがあるかどうか、という違いだけですが、キッチン側のスペースの違いで1K、1DK、1LDKと別れていくのです。
居室の広さが同じでも、キッチン側の広さが広くなればその分購入価格や家賃も高くなっていきます。
余談ですが、弊社が普段お客様からお引越しのご相談をいただく際には、多くの方(特に女性)は「1K」の間取りをご希望されます。多くの方に理由を伺いますと、1Rの間取りで料理をした結果、室内に臭いが充満するのが嫌だ…といった理由が大半を占めてます。
間取りのタイプによる違い
マンションの間取りには、いくつかのタイプがあります。
広さが同じでも、間取りのタイプが異なれば人気も違ってきます。
一般的には、3つのタイプに分けられます。
田の字プラン
まず、マンションの中で最も多い間取りが「田の字プラン」といわれるものです。
これは、玄関から部屋までの間の廊下がまっすぐになっていて、その両サイドにキッチンとトイレ、お風呂が配置されている間取りです。
玄関から伸びた廊下と、両サイドのキッチン、浴室、トイレなどのラインが田という漢字のようになることから、田の字プランといわれます。
シ
ンプルで収まりもいいので、昔からある間取りです。
このタイプは、動線が優れていて日当たりもいいというメリットがあります。
しかし、水回りの位置が固定されているのがデメリットです。
水回りを移動できないので、大規模なリフォームが難しいのです。
バルコニー側を中心に、幅を広くとる間取りのことを、「ワイドスパン」といいます。
バルコニー側の間取りを7~8mと広く取ることで、採光がよく部屋全体が明るくなるというメリットがあります。
また、開放感があるという点もメリットです。
ただし、田の字プランと比較して同じ面積でも、マンションの総戸数が少なくなります。
そのため、物件としても高額になりやすく、家賃も高額にせざるを得なくなり、利回りも低くなるのです。
角住戸
マンションの中でも、特に角部屋にだけある間取りのタイプが、「角住戸」といわれるものです。
これは、角という特性を利用して、窓を他よりも多くつけている間取りです。
採光性が高く、日当たりもよく明るいというメリットがあります。
ただし、窓は壁よりも断熱効果が低いため、冬になると冷え込みやすいというデメリットもあります。
角住戸は、他の部屋よりも人気の高い間取りです。
マンションの中でも一部しかないため、他の部屋よりも高額になることが多いでしょう。
もし価格が安ければ、投資物件として是非狙いたい間取りです。
人気のワンルームマンションの間取りは?
マンションにおける間取りの内容や特徴などを踏まえて、人気のあるワンルームマンションの間取りについて、考えてみましょう。
まずは、ワンルームマンションを利用する人の特徴から考えます。
ワンルームマンションに住むのは、どのような人でしょうか?
ぱっと思い浮かぶのが、学生や一人暮らしの社会人、あるいは単身赴任中の会社員などでしょう。
しかし、最近では一人暮らしをするお年寄りも増えています。
その人たちがどのような部屋を好むかは、それぞれ異なります。
年代も違うので、当然でしょう。
ただし、おおよそ共通している点があります。
それは、広めの部屋が好まれるという点です。
部屋の広さとして、よくあるのが4畳半、6畳、8畳、10畳といった広さです。
かつては4畳半や6畳でも十分という人が多かったのですが、現在は最低でも8畳以上、できれば10畳以上の広さを求める人が増えています。
そこには、荷物の量の違いもあります。
一昔前と比較して、生活に必須の品も数が増えています。
また、テレビなども大型化しているので、その分のスペースも必要となるでしょう。
ブラウン管テレビの頃は、一人暮らしの場合は14インチも多く、20インチのテレビを置く人がたまにいたくらい
で、それ以上のテレビは少数派でした。
しかし、今は大型のテレビも価格が安くなっているので、一人暮らしでも大きなテレビを置く人が増えているのです。
一人暮らしでも、30インチ以上のテレビを置いている人も珍しくはありません。
その分、設置するためのスペースも必要となるのです。
そのことからも、広い部屋が好まれることがわかります。
規制の存在
また、広さが足りない部屋にはもう一つ問題があります。
それは、ワンルーム規制です。
これについては、聞いたことがない人も多いでしょう。
ワンルームマンション規制は、最近できたわけではありません。
実は、1980年代にはすでに制定されているのです。
しかし、2002年頃からはその内容がさらに強化されています。
特に注意したいのが、東京都内です。
23区内は、すべて規制が適用されています。
内容は区ごとに異なりますが、例としては以下のようなものがあります。
- 商業地域のワンルームマンションは、総戸数-15戸のうち3分の1以上は50平方メートル以上の広さがある住戸にすること
- 集合住宅のうち9戸以上が30平方メートル未満の場合、1戸に対して50万円を課税する
- 25戸以上の集合住宅では、全体の30%以上の住戸の広さを40平方メートル以上にすること
これは一例ですが、このように規制が厳しくなっている理由としては一時的な引っ越しをする入居者のマナーの悪さが挙げられます。
引っ越しても住民票を移動させず、税金を別のところに納めているのに、行政サービスを受けているのです。
上記の例だと、最低でも30平方メートルを超えていないと厳しいことがわかります。
30平方メートルは、およそ16.5畳です。
ワンルームだと、なかなか見ない広さです。
とはいえ、ワンルームマンションの場合約半分はキッチンやトイレ、お風呂などの面積です。
つまり、居室そのものの広さはおおよそ半分あればいいのです。
ということは、ワンルームマンションの規制を免れるなら、最低でも部屋の広さが8畳は必要となります。
40平方メートルなら、10畳以上は必要でしょう。
そのくらいなら、よく見かけます。
この規制によって、最低専有面積が引き上げられファミリー向け住戸の設置も盛り込まれています。
その影響は、どのように表れるのでしょうか?
投資用不動産として見た場合、規制が定められたことで供給が減少し、安定した需要が生じることに期待できます。
しかしその反面、物件の価格が高騰し、手に入りにくかったり利回りが低くなったりする可能性が高くなります。
この規制は、現在のところそれほど多くの地域では定められていません。
しかし、今後全国的にその動きが広がったり、すでにある規制がさらに厳しくなったりする可能性は高くなります。
そうならないためにも、今のうちに規制の対象外となるマンションを購入しておくべきなのです。
現在、規制の対象になる可能性が高い8畳未満の物件に投資している人は、今のうちにその物件を売却して、8畳以上の物件に買い替えることをおすすめします。
現在検討中の方は、8畳以上のワンルームマンションに投資しましょう。
まとめ
投資用不動産を選ぶ際は、広さや立地、築年数など様々な点をチェックするでしょう。
しかし、間取りは見逃す人も少なくありません。
人気のある間取りの物件は、空室になりにくく入居者も見つかりやすくなります。
どのような間取りが人気なのかをチェックして、入居率の高い物件に投資するようにしましょう。
特に8畳以上のワンルームマンションを選ぶようにしましょう。
もし、7畳以下の物件に投資している場合は、買い替えを検討してください。