投資用不動産を購入する際は、事前にターゲットをある程度搾り、それに適した間取りや立地を選定します。
では、学生のみをターゲットにした“学生専用物件”で行う不動産投資には、一体どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
できる限り詳しく解説しますので、興味がある方はぜひご覧ください。
この記事は約5分で読めます。
学生専用物件の概要
学生専用物件とは、その名の通り学生に限定して貸し出す投資用不動産のことをいいます。
基本的には、大学や専門学校などの近くにあり、ワンルームや1Rなど1人暮らし用の間取りになっていることが多いです。
また、オーナーによっては、入居時に学生証の提示を求めることがあるなど、独特なルールも存在します。
学生専用物件で不動産投資をするメリット
では、まずは学生専用物件で行う不動産投資のメリットを見てみましょう。
主に以下のようなことがメリットとして挙げられます。
- 入居率が高い
- 賃料未払いのリスクが低い
- 入退去の時期を把握しやすい
- 入居者間のトラブルが起こりにくい
入居率が高い
学生専用物件で行う不動産投資のメリットとしては、まず“入居率が高い”ということが挙げられます。
特に、大学や専門学校との距離が近ければ近いほど、そこに通う学生が入居する可能性はアップします。
また、その需要は学校が存在する限り、基本的には途絶えることがありません。
もちろん、他にライバル物件がある場合は、ある程度集客の工夫をしなければいけませんが、まったく内見にすら人が来ないという状況にはなりにくいでしょう。
賃料未払いのリスクが低い
学生専用物件は、賃料未払いのリスクがとても低いです。
なぜなら、学生の連帯保証人は、その両親が務めるケースがほとんどだからです。
また、両親の口座が賃料の引き落とし口座に設定されていることも、決して珍しくはありません。
当然、一切賃料未払いが発生しないというわけではありませんが、通常の投資用不動産経営に比べると心配は少ないです。
入退去の時期を把握しやすい
学生専用物件で行う不動産投資には、“入退去の時期を把握しやすい”というメリットもあります。
例えば、近くにあるのが4年生大学の場合、2020年の3月に入居してきた学生は、2024年の2~3月頃まで入居することが多いです。
また、先ほども少し触れたように、近くの学校が残っていて、なおかつその学校の制度が変更にならない限りは、上記の入退去時期がループし続けることになります。
想定外のタイミングで、急に退去者が相次ぐという心配が少ないのは、大きなメリットと言えるでしょう。
入居者間のトラブルが起こりにくい
“入居者間のトラブルが起こりにくい”というのも、学生専用物件の大きなメリットの1つです。
例えば、学生とファミリー層、高齢者の方など、年齢も生活リズムもバラバラの入居者が集まっている投資用不動産は、生活音などに関することでトラブルが発生しやすくなります。
一方、学生専用物件の入居者はすべて学生であり、なおかつ年齢も近いため、お互い分かり合える部分が多く、大きなトラブルには繋がりにくいです。
これは、入居者の学生にとっても、トラブルに対応しなければいけないオーナーにとってもメリットだと言えます。
学生専用物件で不動産投資をするデメリット
一方、学生専用物件での不動産投資には、以下のようなデメリットもあります。
- 学校が閉校すると経営が厳しくなる
- ルールを守らない入居者が増える可能性がある
- ルールを守らない入居者が増える可能性がある
- 繁忙期以外での入居者付けが困難
- 入居者の入れ替わりが激しい
学校が閉校すると経営が厳しくなる
学生専用物件における大きなリスクとしては、近隣の学校が閉校するリスクが挙げられます。
当然、近くの学校に通う学生をターゲットにしているわけですから、学校がなくなれば一気に需要は少なくなります。
よって、もし閉校の事実を知ったのであれば、早めにターゲットを変更したり、状態が良い内に物件を売却したりすることも考えなければいけません。
ルールを守らない入居者が増える可能性がある
学生専用物件では、入居者同士のトラブルが起こりにくいものの、ルールを守らない入居者は増える可能性があります。
学生は社会人と比べて、まだ社会のルールに対する認識が甘いことが多く、他の入居者の迷惑をそこまで考えられないことも多いからです。
以下のような行動があった場合は、周辺にある別の物件、戸建てなどの迷惑にもなりかねないため、誰かれ構わず入居を許可すれば良いというわけではありません。
- ゴミの分別をしない
- ゴミ出しの時間を守らない
- 深夜に友人同士で騒ぐ
- 友人を勝手に住まわせる など
繁忙期以外での入居者付けが困難
学生専用物件で行う不動産投資のデメリットとしては、“繁忙期以外での入居者付けが難しい”という点も挙げられます。
学生専用物件の繁忙期は、通常の物件と同じく2~3月頃ですが、この時期にある程度空室を埋めないと、1年間空室ができた状態が続く可能性があります。
なぜなら、通常の投資用不動産とは違い、夏や秋ごろに新しい入居希望者が現れるケースが少ないからです。
つまり、繁忙期と閑散期における需要に大きな差があるということです。
入居者の入れ替わりが激しい
ファミリー世帯向けの投資用不動産に比べると、学生専用物件は入居者の入れ替わりが激しいです。
基本的には、毎年退去者が出て、新しい入居者が入ってくる形になりますし、1人の学生の入居期間は長くて4年程度です。
つまり、毎年ある程度入居者が入ってくる可能性はあるものの、「今年はちゃんと入居者が集まるのか…」という心配を毎年しなければいけないということです。
これは心配性の方にとって、大きなデメリットと言えるでしょう。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 学生専用物件は入退率が高く、賃料滞納リスクも少ない
- 入居者の時期を把握しやすく、入居者間でのトラブルが起こりにくい
- 近くの学校に依存した経営になるため、閉校になると一気に需要が下がる
- 繁忙期に入居者付けができないと、1年間は入居率を上げるのが難しくなる
- 毎年入居者が集まるかどうか心配しなければいけない
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!