投資用不動産を購入するにあたって、物件の収益性(利回り)を見る力や、入居者のニーズを知ることはとても大切です。
ただ、より不動産投資の精度を高いものにするには、“不動産業界に関する知識”も身に付ける必要があります。
ここからは、不動産投資に影響を与える要素や、不動産業界の今後の展望について解説しましょう。
不動産投資に影響を与える要素とは?
不動産投資に影響を与える要素としては、主に以下の4つが挙げられます。
- 金利
- 需要の変化
- 空室率
- 経済
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金利
金利の上昇あるいは下落は、不動産投資に大きな影響を与える要素です。
なぜなら、金利が上がったり下がったりすることで、アパートローンの使いやすさが変わってくるからです。
基本的には、ローン利用時に低金利であればあるほど、返済総額は小さくなるため、その分不動産投資における毎月の返済負担は少なくなります。
現在、日本は超が付くほどの低金利であるため、その点では投資用不動産を購入しやすい状況だと言えるでしょう。
一方で、金利が上昇すると、同じ金額を借り入れる場合でも、返済総額は大きくなります。
よって、あまり初期費用を用意できない方は、投資用不動産の購入に二の足を踏んでしまうでしょう。
もちろん、自己資金のみで投資用不動産を購入する方にとって、金利はあまり関係のないことですが、そのような方は決して多くありません。
需要の変化
需要の変化も、不動産投資に影響を与える要素の1つです。
例えば、周辺地域における投資用不動産の需要が高ければ、ある程度高めの賃料を設置できます。
しかし、需要は時代の流れとともに変化するものであるため、いつまでも高めの賃料をキープできるとは限りません。
例えば、入居者のほとんどが近隣大学に通う学生だった場合、その大学がなくなってしまうと、需要は一気に少なくなります。
また、周辺地域によりハイグレードな投資用不動産が建築された場合も、需要は減ってしまうでしょう。
このような需要が長続きするかについては、なかなか判断が難しいところですが、投資用不動産を購入するのであれば、なるべく情報収集に力を入れ、今後もしばらく入居者には困らないかどうかを見極めましょう。
空室率
不動産投資に影響を与える要素としては、空室率も挙げられます。
これは、空室が物件全体のどれくらいを占めるかを表す数字であり、値が低いほど空室が少ないということを表しています。
ただ、現時点で空室率が低い投資用不動産であっても、周辺にたくさんのライバル物件が建ち並んでいたり、今後さらに物件数が増える予定があったりする場合は、供給が需要を大きく上回り、空室率が上がりやすくなる可能性があります。
逆に、空室率が低く、なおかつ周辺にライバル物件がほとんどないエリア、もしくは今後建築される予定がないエリアは、とても狙い目だと言えるでしょう。
経済
経済の動向も、不動産投資には大きな影響を与えます。
例えば、今から12年前に起こった“リーマンショック”の際には、世界中が不況に見舞われたことにより、多くの金融機関が融資をしにくくなってしまいました。
それに伴って、実際に不動産の価格も下落しています。
もちろん、これ以外にも、経済の動きが不動産業界を活気づけたり、逆に暗くしたりするケースは考えられるため、不動産投資をするのであれば、必ず経済には精通しておくべきです。
不動産投資における今後の展望は?
不動産投資に影響を及ぼすさまざまな要素を知っていただいたところで、次は今後の不動産投資における展望について解説したいと思います。
以下のような角度から、今後の展望を考察していきましょう。
- 地方活性化の影響について
- 単身世帯増加の影響について
- 金利の動向と影響について
地方活性化の影響について
2025年、大阪では“大阪万博”が開催されます。
また、その2年後には、東京と愛知を結ぶリニア中央新幹線が開通する予定です。
これらの地方活性化が進むことで、当該エリアの人口は増加することが予想され、投資用不動産の需要もまた、同じように増えると考えられます。
ただ、2020年に開催予定だった東京オリンピックは、残念ながらコロナ感染拡大の影響で延期となってしまったため、前述のイベントにも何かしらの影響が出る可能性は否めません。
単身世帯増加の影響について
近年、全国的に単身世帯は増加傾向にあります。
東京都のあるデータによると、今から20年後には、東京に居住する世帯のおよそ半分が単身世帯になると言われています。
これはつまり、今後単身世帯向けの投資用不動産が、どんどん需要を増やすことを意味しています。
特に、東京近郊はその傾向が顕著とされているため、どのような層をターゲットにするか悩んでいるという方は、このデータを参考にしても良いかと思います。
もちろん、単身世帯向けの不動産投資なら必ず成功するというわけではありませんが、今後少しずつ有利な状況が整う可能性は高いです。
金利の動向と影響について
先ほど、不動産投資に大きな影響を与える要素として、金利の上昇・下落について解説しました。
また、現在日本は超低金利の状況ですが、この状況は一体いつまでの続くのでしょうか?
これに関しては、非常に意見が分かれるところではありますが、多くの有識者は、今後10年経っても脱却は難しいという見解を示しています。
つまり、今後10年は低金利で推移するため、不動産投資を行う方にとっては、アパートローンを使いやすい状況が続くということになります。
もちろん、現時点では知り得ない、景気を後押しする大胆な施策が打たれる可能性はあり、その場合は前述の見立ても白紙に戻ることになります。
ただ、2014年に消費税増税による物価上昇を行ったものの、一時的にしか金利は上昇しなかったため、近いうちに上記のようなことが起こるとは考えにくいです。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 金利が低いと投資用不動産購入時のアパートローンは利用しやすくなる
- 投資用不動産購入時は、現在の需要が長続きするかを見極めることが大事
- 空室率が低くても、今後供給過多になりそうなエリアの物件は避けるべき
- 経済状況の良し悪しは投資用不動産の需要や価値に大きな影響を及ぼす
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!