投資用不動産の購入時には、ほとんどの方が“アパートローン”を利用します。
ただ、初めて利用する方は、「どのような流れで利用するの?」「用意する書類は?」という疑問を持っていることでしょう。
知識が不十分なまま借り入れるのは不安かと思いますので、今回は利用の流れと必要書類について、詳しく解説します。
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アパートローン利用の流れ
アパートローンを利用する際の一般的な流れは以下の通りです。
- 金利の種類を決定する
- 借入先を決定する
- 事前審査
- 本審査
- 金銭消費貸借契約
- 融資
①金利の種類を決定する
まずは、アパートローンの金利の種類を決定するところから始まります。
投資用不動産の運営スタンスに合わせて、主に以下の2つから選択しましょう。
固定金利 | 変動金利 | |
特徴 | あらかじめ定められた期間において、金利が固定できる | 返済途中、定期的に金利が見直される |
金利 | 高い | 低い |
主な利点 | ・返済計画が立てやすい
・金利の影響を受けない |
・金利が低く、借入後に金利が上がらなければ、固定金利より総返済額は少なくなる |
主な欠点 | ・金利が高い
・借入後、低金利で推移すれば総返済額は多めになる |
・金利上昇リスクがある |
②借入先を決定する
金利タイプを決定した後は、借入先金融機関の選定に入ります。
“金融機関=銀行”というイメージが強い方も多いかもしれませんが、他にもアパートローンを取り扱っている金融機関は存在します。
主な取り扱い金融機関と特徴は以下の通りです。
審査基準 | 金利 | |
メガバンク | 厳しめ | 1~2%前後(変動金利) |
地方銀行 | 低金利の商品ほど厳しい | 1~4%(変動金利) |
信用金庫、信用組合 | 低金利の商品ほど厳しい | 1~4%(変動金利) |
③事前審査
商品と借入先が決まったら、投資用不動産を購入する前に、まずそのアパートローンの事前審査を受けます。
投資用不動産や借り入れる方自身のプロフィールなどを提出し、審査が行われます。
住宅ローンの審査と違うところは、投資用不動産の良し悪しも審査に影響してくるという点です。
④本審査
事前審査に通過しても、まだ審査は終わりません。その後には、本審査が待っています。
借入先からの連絡に応じ、新たに必要となる書類を提出して、本審査を受けます。
ちなみに、先ほどの事前審査から本審査が終了するまでには、1~2ヶ月程度の期間を要します。
⑤金銭消費貸借契約
金銭消費貸借契約とは、簡単に言うと“ローン契約”のことを指しています。
本審査に通過すれば、借入先とこの契約を結ぶことができます。
ただ、審査に通ったとしても、本来の希望通りに借入ができるとは限りませんので、注意しましょう。
例えば、申し込んだ方の属性によっては、融資金額が少なくなったり、融資期間が短くなったりする可能性はあります。
また、金銭消費貸借契約を結ぶのと同じタイミングで、抵当権設定や団信の契約なども行われます。
⑥融資
契約が完了したら、いよいよ投資用不動産を購入するための金銭が融資されます。
あらかじめ決定された融資実行日に、銀行口座に振り込まれますので、入金を確認した後、投資用不動産を購入しましょう。
アパートローン利用時に用意する書類
続いては、アパートローン利用時に用意する主な書類を見ていきます。
具体的には、以下のものが挙げられます。
- 物件概要書
- レントロール
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 不動産登記簿謄本
- 公図
- 物件資料
- 建築確認済証
- 売買契約書
- 重要事項説明書
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物件概要書
融資対象となる投資用不動産の情報を記載した書類です。
住所や価格、面積や構造などが記載されています。
レントロール
投資用不動産の賃貸借条件を一覧表にしたものです。
部屋別の賃料、敷金、契約日、契約期間などの他、入居者の属性が記載されていることも多いです。
源泉徴収票
申込者における1年間の給与等の金額と、支払った所得税の金額が記載された書類です。
アパートローンを借り入れる際は連帯保証人が付くのが一般的なため、連帯保証人のものも用意する必要があります。
確定申告書
納税すべき税額を申告する際、税務署に提出する書類です。
こちらも源泉徴収票と同じく、申込者のものと連帯保証人のものが必要になります。
不動産登記簿謄本
投資用不動産の所有者は誰なのか、どんな不動産なのか、誰がどんな権利を持っているのかといった情報が記載された書類です。
公図
土地の大まかな位置、形状を表した図面です。
法務局や支局、出張所といった登記所で取得できます。
物件資料
投資用不動産の物件資料としては、“建築図面”を用意しなければいけないケースが多いです。
これには、建物の平面図や立体図、全体配置図や間取りなどが記載されています。
建築確認済証
建築計画が法の規定に適合していると確認された場合に、交付される文書です。
不動産会社に請求することで入手可能です。
売買契約書
投資用不動産の売買契約が成立した際、買主と売主との間で交わされた契約内容を記載した書類です。
本審査を受ける際は、こちらの書類が必要になります。
重要事項説明書
売買契約書とともに交付される書類で、取引内容、取引条件などに関する重要事項を説明するために作成されます。
こちらも売買契約書と同じく、本審査を受ける際に用意しなければいけません。
その他の必要書類
アパートローン利用時には、以下の書類も必要になります。
- 本人確認書類(申込者本人と連帯保証人のもの)
- 印鑑登録証明書
- 住民票
- 保険の申込書
これらの必要書類に関しては、発行に時間がかかるものも含まれているため、時間に余裕を持って用意しておきましょう。
スムーズな手続きを実現するためには、金融機関に融資の相談に行く前に、予め揃えておくことをおすすめします。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
・事前審査を受けた後に本審査がある
・審査に通過しても、理想通りの条件で融資が受けられるとは限らない
・アパートローン利用時には申込書、投資用不動産、連帯保証人に関する書類が必要
・金融機関への相談前に、必要書類は予め用意しておくべき
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!