投資用不動産の購入を検討している人は、年々増えています。
しかし、自分の好きな物件で投資を行いたいというだけでは成功しないことくらい、みなさんもご存知でしょう。
ここでポイントとなるのは、“流動性”。
一体、この用語は不動産投資において何を意味するのか?
今回は、その内容について見ていきましょう。
この記事は約5分で読めます。
投資用不動産を選ぶ上で知っておきたい“流動性”の意味とは?
投資用不動産を初めてチェックする人にとって、流動性はどのようなイメージの言葉だと思いますか?
動く、流れるという言葉は、変化を意味する言葉ですよね。
投資の世界では、どのように捉えられるでしょうか?
ここでは、以下の点について1つ1つ解説したいと思います。
- 用語の意味
- 影響される要因
- 高低することの意味
用語の意味
流動性は、みなさんにとって不動産がどれくらい売買しやすいのかを表す言葉になります。
投資用不動産の特徴は、購入後に収益を見いだせるかという部分に重きが置かれやすいですが、それだけではありません。
長期的な運用を視野に入れると、売却時の販売価格も含めて成功したかどうかが判断されるのです。
簡単に言うと、販売する時の価値の幅があるかどうかを考えるための用語だと思って下さい。
その際にポイントとなるのは、次の2点です。
・売却時に売り主の利益となる不動産なのか
・対象不動産が入居者の人気を得やすく、入居率を確保できるか
上記のポイントは、最低限不動産を選ぶ上で欠かせないでしょう。
影響される要因は何か?
ところで、実際に流動性を判断するには、具体的にどの部分に注目するといいのでしょうか?
上記のポイントだけの判断では難しいです。
もう少し細かく見ていくと、次のような箇所をチェックすることが求められるでしょう。
検討要素 | 理由 |
立地 | 立地が良い場所だと人気が高いため、流動性は期待できるが、不人気の場所は買い手が少ないため流動性が低くなる |
投資ターゲット | 一人暮らし向けの住まいか、ファミリー層に向いた住まいか |
不動産の状態(築年数等の要素) | 不動産の状態の良し悪しによって、入居者の入居率が左右されやすい |
投資手法 | ・建物全体に投資するか、分割された部屋に対して投資を行うか
・分割が可能だと、投資額を少なくすることができるため、買い手が見つかりやすい傾向がある |
上記4つの視点を検討した上で、対象となる不動産を考えることが大切です。
投資目的に関わらず、一般的な不動産選びにおいて、立地や築年数等の不動産自体の管理状態は多くの人がチェックします。
入居者の立場からすると、これらは重要な視点ではありますが、投資家の視点の場合はもう一段階視野を広げましょう。
例えば、一見すると立地が好ましくない場所の不動産であっても、ターゲットを絞れば確実に入居に繋がるということがありますよね。
また、近年は投資信託の手法の1つとして、投資用不動産のニーズが高まっていますから、人気の不動産は多様化しつつあると考えて下さい。
従って、入居者側の視点のままでは、適切な流動性の判断ができないと言えるでしょう。
さらに、上記の要素だけでなく、住まいの流行というのもありますから、不動産関係の情報にアンテナを張って検討すべきです。
高低することの意味
よく、流動性が高い、低いと表現されますが、投資用不動産の場合は何を意味することになるのでしょうか?
取引時に影響する意味は、以下の通りです。
流動性 | |
高い | ・売買が積極的にされやすい環境(出口戦略が考えやすい)
・適正価格での不動産取引がされやすい傾向がある ・売り手買い手が早めに見つかりやすいので、短期的な戦略も可能に |
低い | ・売買が頻繁にされにくい環境(出口戦略が難しい場合も)
・環境によっては、不動産価格の変動が激しい(適正価格が分かりにくい状況もあり得る) ・不動産を思ったより安価で獲得できる可能性がある |
一般的な投資を参考までに例に挙げると、株式のような世界は流動性が高いと言われています。
なぜなら、株式の取引は毎日行われており、取引が頻繁だからこそ価格設定の仕組みが分かりやすいからです。
例えば、株価が高騰している時は人気が集まっている時、低い時は人気がない時と一目で分かりますよね。
そのため、取引のベストなタイミングが判断しやすいという特徴があるでしょう。
一方で、投資用不動産の世界は、流動性がそこまで高くなく、むしろ低いと言われている世界です。
つまり、これから投資を始める人にとっては、ベストな価格の判断がしにくい世界に関わることを意味するでしょう。
ですが、マイナスの要素ばかりではありません。
一番のメリットは、良い不動産を安価で購入でき、状況によってはそれ以上の価値で売却することが可能な部分にあります。
運用次第では、マイナス要素をプラスに変化させることが可能ですから、ここが運用の醍醐味になると思って下さい。
流動性の要因を投資用不動産で味方につけるには?
ここまで流動性の内容について説明しましたが、投資用不動産の売買で有利に働かせるためには、不動産会社の協力が不可欠になります。
なぜなら、不動産の売買を個人で行うことはできませんし、対象となる建物が適正価格がどうかを知る手段は私たちにはありません。
何より、個人で収集できる情報には限界がありますから、売買時のマッチングをするだけでも難しいのです。
このような事情を考慮すると、不動産会社というプロに入ってもらい、売買を進めていった方が安心できるのです。
投資用不動産は、株式とは違い、売り手と買い手が納得していれば、安い価格での取引が実現できます。
話し合いによる合意が可能であるといっても過言ではありません。
従って、流動性が低いと言われている投資用不動産であっても、やり方次第でそれを逆手にとっていくことが十分にできます。
もちろん、このことは売却時においても同様のことが言えます。
出口戦略が上手くいかなかったり、スムーズに行いたいというニーズがあったりする時は、プロに頼るのがベストでしょう。
ここまで通して、投資用不動産の流動性の内容をご理解頂けましたか?
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 流動性=対象となる不動産が売買しやすいかどうかの指標
- 立地以外の要素で変化しやすい
- 流動性の高低は、購入時だけでなく、出口殿略のしやすさにも影響する
- 投資用不動産の売買時に早期決着をつけるには、不動産会社の協力が必須になる
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!