投資用不動産を購入する際には、アパートローンやプロパーローンを利用するのが一般的です。
また、当初利用していたローンから、別の金融機関が提供するローンに乗り換えることを“ローン借り換え”といいます。
では、投資用不動産におけるローン借り換えには、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
この記事は約5分で読めます。
まずはローン借り換えについて知ろう
冒頭で少し触れたように、今利用しているローンから、新しいローンに乗り換えることをローン借り換えといいます。
例えば、現時点で利用しているローンに対して、「返済の負担が大きい…」と思うこともあるでしょう。
不動産投資は、管理費や修繕積立金、固定資産税などの支払いがあり、必ずしも利益を上げられるとは限りませんから、負担が大きいままだと不安になりますよね。
そんなときに、少しでも有利な条件のローンを利用すべく行うのが、借り換えというわけです。
ちなみに、以下の2つの条件を満たしている方は、投資用不動産におけるローン借り換えをしやすいとされています。
- 投資用不動産を購入してから10年以内で、2.7%以上の金利で融資を受けた方
- 借入総額が年収の10倍以内の方
ローン借り換えのメリットについて
投資用不動産を所有する方がローン借り換えを行うメリットには、主に以下の5つのことが挙げられます。
- 利回り向上に伴う事業拡大が可能になる
- 有利な交渉ができる
- 全期間固定金利に変更できる
- 出口戦略が立てやすくなる
- 団信の保障内容が拡充される場合がある
1つずつ詳しく見ていきましょう。
利回り向上に伴う事業拡大が可能になる
何度も言うように、投資用不動産のローン借り換えを行えば、毎月の返済額を減らすことができます。
これは、主に金利を低くできることが理由です。
また、金利が低くなれば、当然不動産投資における利回りも向上し、得られる利益も増えていきます。
もちろん、増えた利益を生活費に回し、これまでより豊かな暮らしをするのも1つの選択肢ですが、長期間貯蓄すれば、新たな物件を購入して、不動産投資の規模を拡大することも可能です。
有利な交渉ができる
ローン借り換えは、金融機関から打診されるケースも少なくありません。
「うちのローンに乗り換えてくれませんか?」と依頼されるわけです。
ただ、投資家の方は依頼されたからといって、必ずしもそれに応じる必要はありません。
当然、現在利用しているローンよりも条件で劣っている場合、断ることもできます。
また、投資家の方が自発的に借り換えを行う場合も、借り換え先の金融機関は、なんとか借り換えをしてほしいと考えます。
つまり、投資用不動産におけるローン借り換えでは、投資家の方が常に借り換え先より有利な立場になるということです。
したがって、ある程度強気の条件交渉を行っても、成功する可能性は高くなります。
全期間固定金利に変更できる
投資家不動産におけるローンには、主に3つの金利タイプがあります。
具体的には以下の通りです。
金利タイプ | メリット | デメリット |
変動金利 | ・低金利の場合が多い
・返済額を抑えられる |
・金利の影響を受ける
・返済額が上がる可能性がある |
選択型固定金利 | ・一定期間後に固定か変動かを再度選択できる
・金利情勢を見て方針を変更できる |
・固定期間終了後に金利、返済額が上がる可能性がある |
全期間固定金利 | ・金利が完全に固定されるため、予測や返済計画を立てやすい | ・取り扱っている金融機関が少ない |
現在、日本は歴史的な超低金利の時代であり、上記の“全期間固定金利”であっても、1%台の金利で借り換えができるケースが増えています。
今利用しているローンが変動金利で、今後の金利上昇が不安という方は、借り換えを行うことで、まったく金利の影響を受けない全期間固定金利に乗り換えることも可能です。
出口戦略が立てやすくなる
不動産投資における“出口戦略”とは、不動産投資から撤退する際、損失を最小限に抑えるための戦略をいいます。
実は、ローンの借り換えには、この出口戦略を立てやすくするというメリットもあるのです。
なぜなら、金利を低くすることによって、元本が減る速度も早くなるからです。
数年~数十年後、現在所有する投資用不動産を売却する際に、元本が大きく減少していれば、利益も出しやすく、なおかつその中で出口戦略を立てやすくなるというわけです。
団信の保障内容が拡充される場合がある
アパートローンやプロパーローンを利用する際には、基本的に団信(団体信用生命保険)に加入することになります。
これは、ローン利用者が返済期間中に死亡もしくは高度障害状態になったときに、残債を肩代わりしてくれるローンをいいます。
また、投資用不動産におけるローン借り換えを行えば、団信の保障内容が拡充される場合があります。
例えば、以下のような保障内容ですね。
- がん保障
- 3大疾病保障
- 7大疾病保障
- 8大疾病保障
- 11大疾病保障
- 全疾病就業不能保障 など
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ローン借り換えの手順について
投資用不動産におけるローン借り換えは、一般的に以下のような手順で行います。
- 現状の把握
金融機関に借り換えの相談をする前に、まずは以下をはじめとする投資用不動産の現状を把握します。 - 借り換えの試算
ローン借り換えを行うことで、どれくらい効果が出るのかを試算します。
もちろん、各ローン商品の調査も行っておきましょう。また、現在のローン借入先金融機関に対して、ローンの条件変更を依頼し、そこで借り換えと同様の効果が得られると判断できる場合は、無理やり借り換えを行う必要はありません。 - 申し込み、審査
既存のローン借入先金融機関に条件変更を交渉し、認めてもらえなかった場合は、新たな金融機関に借り換えの申し込みを行います。申し込み・審査に必要な書類は効率良く収集し、取得のし忘れが発生しないように注意しましょう。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- ローン借り換えは利回り向上、事業規模の拡大に繋がる
- ローン借り換えでは有利な交渉ができる
- ローン借り換えることで全期間固定金利に変更できる
- ローン借り換えは出口戦略の策定にも役立つ
- ローン借り換えをすることで団信の保障内容が豊富になる可能性もある
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!