不動産投資を行うにあたって、“分散投資”を視野に入れる方も多いかと思います。
分散投資は、投資用不動産や投資期間などを分散させることで、資産全体の下降リスクを抑えるためのものですが、実はデメリットも存在します。
今回は、こちらのデメリットについて詳しく解説していきたいと思います。
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分散投資のデメリット4選
分散投資を行えば、賃料収入を安定させることができたり、地震や台風などの自然災害に対応したりすることができます。
ただし、その反面以下のようなデメリットもあるため、実践する前に必ず把握しておきましょう。
- 短期間で大きな利益を獲得しにくい
- 物件の管理が難しい
- 流動性リスクが高い
- 資金が少ないと効果が薄れる
短期間で大きな利益を獲得しにくい
分散投資は、短期間で大きな利益を得ることよりも、どちらかというとリスクを抑えながら、長いスパンで利益を獲得することを目的とした手法です。
こちらは、前者を目的としている方にとってデメリットだと言えるでしょう。
また、分散投資で短期間に大きな利益を得にくい理由としては、性質の異なる物件に資金を振り分けるケースが多いことが挙げられます。
例えば、単身者用物件とファミリー用物件の両方に投資している場合に、いずれかのニーズだけ極端に増加したとしても、もう片方のニーズが減少すれば、大きな利益とはなりません。
物件の管理が難しい
分散投資を行う場合、当然複数の投資用不動産を所有することになります。
よって、1件に集中して投資するケースと比べ、物件の管理は難しいですし、手間もかかります。
特に、都市部と地方など、離れた場所で複数の投資用不動産を所有する場合、いずれかの物件はなかなか現場に訪れることができなくなります。
もちろん、それぞれ別の管理会社に管理を依頼している場合などは、より管理が煩雑になるため、注意しなければいけません。
流動性リスクが高い
不動産投資には、“流動性リスク”というものが存在します。
こちらは、保有する資産の市場における需要が少ないことから、希望する価格で売却できないリスクを指しています。
つまり、投資用不動産の売却価格が上がらず、売るに売れない状況になってしまうということです。
また、分散投資を行い、所有する物件が増加するほど、こちらの流動性リスクは高くなります。
なぜなら、それぞれ特徴の違う物件のニーズが、同時に増加するということはなかなかないからです。
資金が少ないと効果が薄れる
分散投資は、どのような方が行っても効果のある手法だと思われがちですが、実際はそのようなことはありません。
投資資金が少ない場合、あまり効果は期待できないため、注意しましょう。
例えば、月数万円程度を守る程度の分散投資であれば、多少のリスクを背負ってでも1件への投資を行い、資金を大幅に増加させることを狙った方が、今後長期的な資産形成を行っていく上では効果的と考えることもできます。
分散投資を行うべき人の特徴
不動産投資において分散投資を実践すべき方の特徴としては、主に以下が挙げられます。
- 大きな損失を出したくない
- 長期的に資産を積み上げたい
- 多額の資金を持っている
大きな損失を出したくない
分散投資を行うべきなのは、やはり大きな損失を出したくないと考える方です。
1件のみで行う不動産投資の場合、大規模な災害が起こったとき、あるいは退去者が相次いだときなどには大きな損失が出る上に、他の物件でカバーすることもできません。
一方、分散投資を行っていれば、1つの物件における損失を他の物件の賃料収入でカバーできるため、損失が膨れ上がる心配は少ないです。
長期的に資産を積み上げたい
短い期間ではなく、長期的に少しずつ利益を積み上げたい方にとっても、分散投資はおすすめです。
デメリットの項目で解説した通り、分散投資では性質が異なる物件に資金を投入することがほとんどのため、市場ニーズが変化する関係上、なかなか短期間では大きな利益を上げられません。
逆に、リスクを減らしながら、少しずつ利益を積み上げることはしやすいため、ライフイベントの支出や老後資金の足しにしたいという方は、ぜひ実践すべきです。
多額の資金を持っている
個人でなかなか数千万円、数億円という単位の自己資金を所有する方はいませんが、これくらいの資金がある方は、ある程度条件の良い物件を複数購入できる可能性があるため、分散投資に向いています。
また、属性が高く、多くの融資を受けることができる方も、同じ理由で分散投資を行うべきだと言えます。
分散投資をしない方が良い人の特徴
一方で、以下に該当する方は、分散投資をせず1つの物件で集中的に利益を上げることをおすすめします。
- リスクを取ってでも大きな利益を上げたい
- 短期間で資産を大幅に増やしたい
- 資金が少ないまたは属性が低い
分散投資は実践すべきなのか?
前述の通り、分散投資にはいくつか気になるデメリットがあるものの、結論をいうと実践するに越したことはありません。
確かに、短期間で大きな利益を得ることには向いていませんが、そもそも不動産投資において、そのような考えを持つこと自体良くない傾向だと言えます。
不動産投資の本来の形は、少しずつ空室を埋め、安定した賃料収入を得ることで、ローンを返済し、そこからトータルの収支をプラスに転じさせていくというものです。
もちろん、投資用不動産の売却により、利益を得ることも不動産投資のスタイルの1つですが、こちらの方法では、購入前より売却後の方が資金は減少する可能性も大いにあります。
よって、時間はかかるかもしれませんが、短期間で大きな利益を得ることはそもそも難しいと考え、分散投資をする方がよっぽど利益を大きな得ることができる可能性は高いと言えます。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 分散投資は短期間で大きな利益を得ることには向いていない
- 分散投資を行うと物件の管理が大変になる
- 流動性リスクが高いのも分散投資のデメリットの1つ
- 長期的にじっくり利益を得たい方は分散投資をするべき
- 本来の不動産投資の形を目指すのであれば、分散投資を行うに越したことはない
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!