不動産投資をするにあたって、皆さんが気になることの1つに、「どんなトラブルが起こり得るのか?」ということが挙げられます。
トラブルは規模が大きくなればなるほど解決が難しくなるため、できることなら遭遇したくないですよね。
今回は、不動産投資でよく起こるトラブルを中心に解説したいと思います。
不動産投資でよく起こる4つのトラブル
不動産投資関連のトラブルは数多くありますが、よく起こるものとしては主に以下の4つが挙げられます。
- 賃料の未払い
- サブリース会社とのトラブル
- マナーの悪い入居者とのトラブル
- 投資用不動産購入時のトラブル
賃料の未払い
不動産投資では、入居者による“賃料の未払い”が発生することがよくあります。
オーナーの収入の大半は、入居者から回収する賃料が占めているため、ここがストップしてしまうと、経営は一気に苦しくなってしまいます。
区分マンションなどの投資用不動産を貸し出している方は、未払いによって収入がゼロになってしまう可能性も否定できません。
よって、オーナーはリスクヘッジとして、“家賃保証会社”と契約を締結しておきましょう。
こうすれば、仮に賃料の未払いがあった場合でも、その金額を補填してもらうことができます。
ただ、もちろん未払いの状態を続ける入居者を放置してはいけません。
家賃保証会社からの補填を受けながらも、入居者には電話や内容証明郵便による督促などを行う必要があります。
サブリース会社とのトラブル
不動産投資では、“サブリース会社”とのトラブルが発生することも多いです。
サブリースは、空室リスクを回避する手段として用いられるものであり、サブリース会社がオーナーから物件を借り上げ、入居者付けや賃料回収などを代行します。
また、サブリース会社は、回収した賃料の一部を利益として受け取り、残った分をオーナーに支払いますが、投資用不動産の状況や契約内容によっては、ある日急に大幅な賃料値下げを打診されることもあります。
こうなると、オーナーはもちろんこれまでより賃料収入を得られなくなります。
ちなみに、過去には契約していたサブリース会社が倒産し、オーナーが大きな損害を被ったという事例もあるため、軽い気持ちで契約することはおすすめできません。
マナーの悪い入居者とのトラブル
不動産投資では、“マナーの悪い入居者”とのトラブルもよく起こります。
1人でもマナーの悪い入居者がいると、オーナーと入居者だけでなく、入居者同士のトラブルにも発展してしまうため、注意しましょう。
具体的には、以下のような入居者が問題の火種になりやすいです。
- 騒音を出し続ける入居者
- 共有部分を私物化する入居者
- ゴミ出しの時間・曜日を守らない入居者
- 暴力団関係者 など
オーナーの中には、管理会社に入居者の選定をすべて任せているという方もいますが、これではトラブルの可能性が高くなってしまいます。
よって、入居させるか否かを判断する際は、必ずオーナー自身も属性や見た目、言動などをチェックしましょう。
不動産投資を行うにあたって非常に厄介な存在となるのが、マナーの悪い入居者です。 このような入居者は、オーナーや管理会社の負担を増加させるだけでなく、他の入居者にも迷惑をかけることになるため、放置してはいけません。 今回は、マナー[…]
投資用不動産購入時のトラブル
投資用不動産の購入時にも、トラブルが発生する可能性はあります。
物件購入時、オーナーは不動産会社から“重要事項説明”を受けます。
これは、投資用不動産の売買契約を締結するにあたって、確認しておくべき重要な事項に関する説明をいいます。
また、投資用不動産に何かしらの“瑕疵”がある場合は、その事実についても説明されますが、これに関してはすべて説明されるとは限りません。
特に、“環境的瑕疵”については説明されないことも多く、物件購入後に不快な施設が近くにあること、騒音が大きいことなどが判明する可能性もあります。
ただ、これは決して不動産会社が悪いわけではありません。
なぜなら、どのような環境、どのような施設に嫌悪感を抱くかについては個人差があり、すべて説明しているとキリがないからです。
ちなみに、投資用不動産の瑕疵には以下の4種類があり、環境的瑕疵以外に関しては、しっかりと説明が受けられます。
瑕疵の種類 | 概要 |
物理的瑕疵 | 物理的な土地・建物の瑕疵。
例:土壌汚染、地中埋設物、地盤沈下、雨漏り、クラック、シロアリ被害、アスベストなど |
法的瑕疵 | 法令などによって自由な利用ができないという瑕疵。
例:市街化調整区域、再建築不可など |
環境的瑕疵 | 物件を取り巻く環境の瑕疵。
例:嫌悪施設(暴力団事務所、墓地、原子力発電所、刑務所など)、騒音、悪臭など |
心理的瑕疵 | その物件で過去に起きた出来事による瑕疵。
例:事故死、自殺、多作、孤独死、火災など |
どんな人がトラブルに遭いやすいのか?
以下のような特徴を持つ方は、不動産投資のトラブルに遭いやすいと言えるため、注意してください。
- 他人任せにしがちな人
- とにかく不動産投資を早く始めようとしている人
- コミュニケーション能力が低い人
他人任せにしがちな人
投資用不動産の購入時、不動産会社に言われるがまま購入物件を決めてしまったり、不動産投資を管理会社に丸投げしたりする方は、トラブルに巻き込まれやすくなります。
とにかく不動産投資を早く始めようとしている人
早く不動産投資を始めることばかり考えている方は、利回りや管理、運用のことに関して、しっかり調査・分析できていないことが多いです。
また、このような特徴を持つ方は、当然良くない投資用不動産を購入してしまったり、運営中思わぬトラブルに見舞われてしまったりする可能性が高くなります。
コミュニケーション能力が低い人
経験がない方にとっては意外かもしれませんが、不動産投資を行う際は、人と接する機会が多くなります。
具体的には、入居者や不動産会社、管理会社やサブリース会社、はたまた税理士などです。
よって、コミュニケーション能力が低い方は、これらの人物・会社との連携がうまく取れず、トラブルに巻き込まれやすくなります。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 賃料の未払いは不動産投資における代表的なトラブル
- サブリース会社とトラブルを起こすと大きな損害を被る可能性がある
- マナーの悪い入居者はトラブルに繋がるため、入居者チェックはオーナー自身が行うべき
- 投資用不動産購入時は環境的瑕疵に注意
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!