不動産投資用ローンの借り換えは、適切なタイミングで行えば、金利等の利用条件を良くすることできます。
ただ、必ずしも借り換えに成功するとは限りません。
安易に別のローン商品に乗り換えようとすると、後々後悔してしまう可能性があるため、今回は借り換えの注意点を幾つか解説したいと思います。
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投資用不動産におけるローン借り換えの注意点は主に4つ
ローン借り換えを初めて行うという方の中には、「条件の良い商品に借り換えれば良いだけじゃないの?」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際借り換えでは、さまざまなトラブルが起こる可能性があるため、以下の点には注意しなければいけません。
- 借入先との関係が悪くなる場合がある
- 違約金が発生することがある
- 借り換えできないことがある
- 別の方法の方が得をする場合もある
各項目について、詳しく解説していきましょう。
借入先との関係が悪くなる場合がある
投資用不動産におけるローン借り換えを行う際には、現在の借入先との関係が悪くならないように注意しましょう。
通常、ローン借り換えは以下のような流れで行われます。
- 現在のローン借入先への金利値下げ交渉
- 交渉に応じてもらえなかった場合、新しい借入先への申し込み
- 事前審査、本審査
- 借入中のローンの全額繰り上げ返済
- 新しいローンの契約手続き
- 融資実行
現在の借入先に金利の値下げ交渉を行い、もし応じてもらえなかった場合は、現行のローンより金利が低い新しい借入先を探し、審査に申し込むことになります。
ただ、新しい借入先の審査に落ちてしまうと、当然現在のローンをそのまま継続して利用せざるを得ません。
このとき、前述のように金利の交渉を行っていると、現在の借入先に「一度利用をやめようとした顧客」という風に見られる可能性がありますので、横柄な態度で交渉することは控えましょう。
違約金が発生することがある
投資用不動産ローンの借り換えでは、違約金が発生することもあるため、こちらも注意が必要です。
これは、借入先によって異なりますが、具体的には以下の期間以内に借り換えた場合、以下の違約金が発生することが多いです。
・融資開始から5年以下での借り換え(繰り上げ返済):借り換え時の残債の2%の違約金
近年、居住用不動産用の住宅ローンでは、このような違約金はかからないケースが増えましたが、投資用不動産のローンでは、いまだに違約金制度を設けていることがあります。
また、上記の金額の場合、例えば1億円残債があれば、200万円を支払わなければいけないということですから、その金額は必ずしも微々たるものとは限りません。
借り換えできないことがある
投資用不動産のローン借り換えを行う際、そもそも借り換えが不可能という状況に陥ることもあります。
具体的には、以下に該当する場合、新しいローン借入先の審査に通らず、借り換えできない可能性があるため、注意しましょう。
- 過去にローン滞納履歴がある(与信リスクが高いと判断されやすいから)
- ローン残債よりも物件の評価額が低い(担保として不十分だと判断されやすいから)
- 入居率が低い(収益性が低い物件と判断されやすいから)
- 身体を壊している(団信に加入できない可能性が高いから)
- 教育ローンなどの借入を増やしている(返済の余裕がないと判断されやすいから)
ちなみに、入居率に関しては80%以上をキープしているのが理想的です。
別の方法の方が得をする場合もある
より良い条件の不動産投資ローンを利用したいといっても、すべてのケースにおいて借り換えがもっとも得策とは限りません。
場合によっては、現在利用しているローンを継続して利用し、より低い金利を提供してくれる借入先から新たな融資を引き出して、もう1軒投資用不動産を購入する方が良いかもしれません。
例えば、投資用不動産Zにおいて、金融機関Aから1億円の融資を受けた場合の年間キャッシュフローが200万円だとして、金融機関Bに借り換えたときに、年間キャッシュフローが220万円になるとしましょう。
ただ、このとき借り換えではなく、金融機関Bから新規で1億円の融資を受け、1億円の投資用不動産Yを購入すれば、新たな年間キャッシュフローを220万円増やすことができます。
もちろん、融資総額を増やすという選択肢にはリスクもありますが、今後法人化して、どんどん不動産投資の幅を広げたいという場合は、このような選択肢もアリでしょう。
借り換え申込時の注意点について
初めて借り換えをする方の多くは、「借り換えの申し込みでは、何に気を付ければ良いのかわからない…」と悩んでいる方もいるでしょう。
投資用不動産のローン借り換えをするにあたっては、上記のような基本的な注意点の他に、金融機関への申込時の注意点も押さえておく必要があります。
複数の金融機関に相談しよう
ローン借り換えの申し込みをする前に、まずは複数の金融機関に借り換えについて相談しましょう。
電話での問い合わせであれば、比較的聞きたい内容を迅速にヒアリングできます。
問い合わせで確認するポイントは、以下の通りです。
- 不動産投資ローン取り扱いの有無
- 取り扱い可能エリア
- 金利、融資可能期間、利用条件
各金融機関の特徴を掴んでおこう
一口に金融機関といっても、その種類はさまざまです。
中には例外もありますが、各金融機関における不動産投資ローンの特徴は以下の通りです。
金融機関 | 特徴 | 最長融資期間 | 金利(目安) | 対応エリア |
都市銀行 | ・高額融資が可能
・築年数が経過した木造物件は融資されない可能性も |
35年 | 1% | 全国 |
地方銀行 | ・多くの物件で融資を受けられる
・地方銀行ごとの金利差が激しい |
35年 | 1.5~2.5% | 各地方銀行の営業エリア内 |
信用金庫 | ・個人や中小企業でも融資が受けやすい
・不動産投資ローンを取り扱っていないケースが多い |
35年 | 2~3.5% | 各信用金庫の営業エリア内 |
信用組合 | ・組合員になれば好条件の不動産投資ローンに借り換えられる可能性がある
・独自の基準が設けられていることが多い |
35年 | 2~4% | 各信用組合の営業エリア内 |
信託銀行 | ・全国で利用でき、高額融資も見込める
・個人や物件の評価次第では融資されない可能性も |
35年 | 1~2.5% | 全国 |
外資系銀行 | ・他で融資を受けられない場合でも、利用できる可能性がある
・上限融資可能額は1億円まで |
35年 | 3~3.5% | 各外資系銀行の営業エリア内 |
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 借り換え先の審査に落ちると、現在の借入先との関係が悪くなる可能性がある
- 借り換えによって違約金が発生するケースがある
- 返済履歴や体調などに不安がある方は借り換えできない可能性が高い
- 借り換え以外を選択する方が得をする場合もある
- 借り換え前には、各金融機関の特徴を把握しておく
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!