近年、不動産売却をするにあたって、“ホームステージング”を活用する方が増加しています。
理由はもちろん、こちらのサービスを活用することで、より良い条件で不動産を売却できる可能性が高くなるからです。
ここからは、ホームステージングを活用した不動産売却について詳しく解説します。
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ホームステージングの概要
ホームステージングとは、売却する不動産の内装に工夫を施すことで、価値を上昇させるサービスのことをいいます。
具体的には、内見に訪れた購入希望者に好印象を持ってもらうために、新しいインテリアを設置して豪華に見せたり、内装を白系の色に統一させて清潔感、明るさをアピールしたりします。
日本ではそれほどポピュラーなサービスではありませんが、欧米諸国では「ホームステージングと不動産売却はセット」と言われるほど、当然のように活用されています。
ホームステージングを活用して不動産売却をするメリットについて
ホームステージングを活用した不動産売却には、主に以下のようなメリットがあります。
- 売却不動産の差別化を図ることができる
- 購入希望者が集まりやすくなる
売却不動産の差別化を図ることができる
ホームステージングを活用すれば、周辺にあるライバルとなる不動産との差別化を図ることができ、売買契約の成約率を上げることが可能です。
同じような間取り、立地、価格の物件であっても、やはり清潔感や明るさ、豪華さが感じられる不動産の方が、購入希望者の目には魅力的に映ります。
購入希望者が集まりやすくなる
ホームステージングを活用すれば、単純に購入希望者も集まりやすくなります。
不動産会社が掲示、掲載する不動産広告において、ホームステージングのサービスを受けた後の写真を使用すれば、魅力的に感じてくれる購入希望者の増加が期待できるためです。
よって、「売買どころか、内見希望者も現れない」という状況は避けることができるでしょう。
ホームステージングを活用して不動産売却をするデメリットについて
ホームステージングを活用した不動産売却には、ハッキリ言ってほとんどデメリットがありません。
強いて挙げるとすれば、通常の不動産売却よりもコストがかかるという点です。
どれくらい内装に工夫を施すのかにもよりますが、一般的には15~30万円程度の費用がかかるため、利用する際は把握しておかなければいけません。
また、ホームステージングは、売却する不動産の価格に対して、上記の費用を上乗せしても、売却できるであろうと判断できる際にのみ、活用するようにしなければいけません。
つまり、現時点の価格では売れる可能性が低いと判断される不動産の場合、ホームステージングの費用が上乗せされると、より売却できる可能性が下がってしまうということです。
ちなみに、不動産会社の中には、一定の条件を満たす場合のみ、ホームステージングにかかる費用を負担してくれるというところもあります。
例えば、その不動産会社と専属専任媒介契約を結び、“売却する不動産の価格が○○万円以上”という条件をクリアすれば、無料でホームステージングができるというようなケースです。
ただし、このようなケースは極めて稀なため、基本的には先ほど解説した程度の費用がかかると考えておきましょう。
ホームステージングを実施する際の流れ
不動産売却時にホームステージングを実施する場合、一般的には以下のような流れで行われます。
- 相談
- 物件調査
- プランニング
- 契約
- 作業
- 成約、インテリアの撤去
相談
まずは、ホームステージングを行う業者に問い合わせを行い、依頼したい物件の詳細、希望予算などを伝えます。
ちなみに、在宅のままホームステージングを実施するか、退去後のインテリアが何もない状態で実施するかなどについては、このタイミングで伝えておくことをおすすめします。
そうすることで、この後のプランニングや作業がスムーズに進みます。
物件調査
実際ホームステージング業者に物件を訪れてもらい、雰囲気や間取り、既存のインテリアの量、種類といった物件情報を収集します。
これらの調査は、プランニングや見積もりに活かされます。
また、ホームステージングを実施するためには、売却する不動産のターゲットや周辺の立地、ライバル物件の有無なども調査しなければいけません。
よって、物件調査からプランニングまでには、数日~1週間程度はかかるものと考えておきましょう。
プランニング
物件調査の数日~1週間後、ホームステージング業者から料金の見積もりとプランを提示されます。
ちなみに、契約に進むまでの物件調査、見積もりは無料で実施してもらえるため、なるべく多くの業者から相見積もりを取り、もっとも理想の料金、プランを提示してくれる業者を選ぶようにしましょう。
契約
業者が提示する見積もり、プランの内容を確認し、納得できたら契約に進みます。
契約前には、契約書に以下の内容が盛り込まれていることを確認しておきましょう。
- インテリアのレンタルを延長する際の支払いタイミング
- レンタルのインテリアが故障・破損したときの保証内容
- レンタルインテリア買い取りの可否 など
作業
契約後は、まずインテリアや室内装飾品の搬入、設置、既存の荷物の処分などが約1日かけて行われ、その後ようやくホームステージングが開始されます。
また、このタイミングで、ホームステージングとあわせて室内の写真撮影も実施されます。
成約、インテリアの撤去
ホームステージングを行ったことで、不動産の購入希望者が現れ、無事売買が成約すれば、レンタルインテリアの撤去、搬出が行われ、ホームステージングが終了します。
このとき、レンタル期限を過ぎているにもかかわらず、まだ売却できていないという場合は、ホームステージングを引き続き利用することも可能です。
今回記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 売却する不動産の内装に工夫を施すことで、価値を上昇させるサービスをホームステージングという
- 購入希望者が集まりやすくなり、物件の差別化も図ることができるのがホームステージングのメリット
- ホームステージングを実施すると、通常の不動産売却よりはコストがかかりやすくなる
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!