投資用不動産を購入する際には、さまざまな書類を用意しなければいけません。
中でも重要な書類の1つに、“登記事項証明書”が挙げられます。
今回は、登記事項証明書の具体的な取得方法や、各方法のメリット・デメリットなどについて解説したいと思います。
まさにこれから投資用不動産を購入する方は、ぜひご覧ください。
この記事は約5分で読めます。
登記事項証明書の概要
登記事項証明書は、“登記簿謄本”とも呼ばれるもので、不動産の所在や面積、所有者といった情報が記載されている書類をいいます。
投資用不動産を購入する方が法人の場合は、こちらを必ず取得しなければいけません。
なぜなら、登記事項証明書は、法人の本人確認書類のような役割を果たすものであるからです。
ちなみに、登記事項証明書には以下の4つの種類がありますが、基本的に投資用不動産を購入する際には、“全部事項証明書”を提出しなければいけないことが多いです。
- 全部事項証明書:すべての登記記録(閉鎖されたものを除く)が記載されているもの
- 現在事項証明書:現に効力を有する登記記録のみが記載されているもの
- 一部事項証明書:登記簿から抜粋した特定の情報のみが記載されているもの
- 閉鎖事項証明書:閉鎖された登記記録が記載されているもの
登記事項証明書の取得方法は3つ
登記事項証明書の取得方法は、以下の3つがあります。
- 窓口
- オンライン
- 郵送
それぞれの方法の詳細とメリット・デメリットを見ていきましょう。
窓口で取得する方法
窓口とは、請求対象の投資用不動産を管轄している登記所、あるいは最寄りの登記所の窓口を指します。
こちらで登記事項証明書を取得する場合は、まず現地で交付申請書を取得し、以下の必要事項を記入します。
- 住所
- 氏名
- 種別(土地、建物)
- 請求対象物件の所在、地番
- 請求通達数
- 所要事項 など
すべての記入が終了したら、手数料額に相当する収入印紙を購入し、貼付・提出して申請は完了です。
ちなみに、申請手数料は600円で、取扱時間は平日の午前8時30分~午後5時15分です。
窓口で取得するメリット
登記所の窓口で取得するメリットは以下の通りです。
- 窓口が近ければ手軽に申請できる
- 窓口で確認しながら申請できる
- 即日交付される
登記所がすぐ近くにある方にとっては、わからない点についてその場でアドバイスをもらえる窓口での取得は、圧倒的に便利といえます。
また、窓口に直接申請しているため、その日のうちに交付してもらえるところもメリットです。
窓口で取得するデメリット
一方、登記所の窓口で取得することには、以下のようなデメリットもあるため、注意してください。
- 取扱時間が短い
- 手数料が高い
オンラインで取得する方法
登記事項証明書は、オンラインでも取得することが可能です。
こちらは、“登記・供託オンライン申請システム”のホームページにアクセスし、申請者情報を登録した上で、必要事項を記入して請求書を作成するという方法です。
また、上記のホームページから申請用総合ソフトを無料でダウンロードし、ソフト内から請求書を作成することもできます。
登記事項証明書の受け取りは郵送と窓口交付の2種類から選ぶことができ、郵送は500円、窓口交付は480円の手数料がかかります。
取扱時間に関しては、平日の午前8時30分~午後9時までとなっています(午後5時15分以降に申請送信した場合は翌日業務日に受付)。
オンラインで取得するメリット
オンラインで登記事項証明書を取得する主なメリットは以下の通りです。
- 自宅にいながら請求できる
- 手数料が割安、印紙が不要
- 受付時間が長い
オンラインで取得するデメリット
一方、オンライン取得には以下のようなデメリットもあります。
- パソコン環境が必須
- 利用者登録をしなければ請求できない
- 申請から取得まで1~1週間程度かかる場合がある
特に取得までの時間の長さは、大きなデメリットと言えます。
郵送で取得する方法
郵送の場合、まずは登記所やオンラインによって、登記事項証明書の交付申請書をダウンロードします。
その後、必須事項を記入し、収入印紙を購入して貼付します。
ここまでは、窓口での取得とほぼ変わりません。
その後、返送用の封筒を同封し、最寄りの登記所に送付すれば、郵送での申請は完了です。
ちなみに、手数料は窓口申請と同じく600円かかります。
郵送で取得するメリット
郵送で登記事項証明書を取得するメリットは、主に以下の通りです。
- 自宅で請求書を作成できる
- 受付時間の制限がない
自宅で請求書を作成し、好きなタイミングで郵送すれば申請できるため、特に受付時間の制限はありません。
郵送で取得するデメリット
一方、郵送で取得することのデメリットには、以下のことが挙げられます。
- 申請から取得まで3日~1週間かかる
- 申請書をダウンロードする、または登記所で取得する必要がある
- 印紙や封筒を自分で用意する必要がある
郵送の場合、取得までにかなり時間がかかることが予想されるため、時間的な余裕がない方にはあまりおすすめできません。
また、登記所で申請書を取得して行う場合は、そのまま登記所の窓口で申請する方がスムーズだと言えます。
登記情報の閲覧のみをしたい場合は?
登記事項証明書を取得しなくても、“登記情報提供サービス”を利用すれば、登記情報の閲覧のみが可能です。
こちらは、オンラインで登記情報を閲覧できる便利なサービスであり、パソコン環境が整っていれば誰でも利用可能です。
ただし、閲覧するには登録料が必要な上、利用可能になるまでには登録から1週間程度かかるため、注意しましょう。
また、登記事項証明書の閲覧用データをネット上から印刷しても、こちらを登記事項証明書として、投資用不動産の購入時に提出することはできません。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 登記事項証明書は不動産の所在や面積、所有者といった情報が記載されている書類
- 登記事項証明書の取得方法は窓口申請、オンライン申請、郵送申請の3種類
- 窓口申請は登記所が近い方におすすめ
- オンライン申請はネット環境が整っている方におすすめ
- 受付時間を気にせずに申請したい方には郵送での申請がおすすめ
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!