投資用不動産購入時、アパートローンを契約する方は、同時に団体信用生命保険に加入するケースがほとんどです。
また、審査に通過することで、初めて団信に加入できますが、審査では一体どこまで調べられるのでしょうか?
今回はこちらの点を中心に、審査に伴う告知のポイントについて解説します。
この記事は約5分で読めます。
団体信用生命保険の審査に伴う告知とは?
アパートローンを利用する際は、通常借入の申し込み審査と団信の告知、審査を並行して進めなければいけません。
なぜなら、金融機関の多くは団信への加入を条件に、アパートローンを提供しているからです。
つまり、団信の審査に落ちてしまった場合、アパートローン自体を利用できなくなってしまうということです。
また、団信の告知とは、契約者の健康状態に関して“告知書”と呼ばれる書面を用い、保険会社に伝えることを指しています。
ちなみに、告知書によって告知しなければいけない項目については、以下のような内容になっているケースが多いです。
- 告知日から3ヶ月以内の治療、投薬歴
- 告知日から3年以内の手術、治療歴(保険会社指定の病気のみ)
- 現時点での身体障害状態(手足・指の欠損、言語・咀嚼機能の障害など)
これらの内容に対し、適切に真実を告知し、問題ないと判断されると、晴れて団信の審査に通過することができます。
嘘の告知をした場合、どこまで調べる?
団信の告知では、当然真実を伝えなければいけません。
嘘の告知をした場合、保険適用時に発覚する可能性は極めて高いですし、そもそも嘘がまかり通るほど、団信の審査は甘くありません。
少しでも怪しいと判断された場合、保険会社によって徹底的に調査が行われます。
具体的には、最低でも5年は保管が義務付けられているカルテを確認されたり、調査員によって細かい質問を何度もされたりする可能性があります。
また、仮に嘘がばれず、契約ができたとしても、あまりにも悪質な嘘の告知があった場合は、無条件で団信の契約を解除されることもあるため、注意しましょう。
例えば、癌など死亡率が高い病気を患った過去があるにも関わらず、告知せずに黙っていると、悪質と判断されることがあります。
アパートローンの返済中、団信の契約を解除されてしまうと、当然契約者に支払い能力がなくなったとしても保険金はおりないため、残された家族が路頭に迷うことも十分考えられます。
告知書の正しい書き方について
団信の審査で用いる告知書の正しい書き方については、以下の通りです。
・申込日、告知日について
告知書を記入する日付を正確に記入します。
・署名について
必ずアパートローンの契約者本人が記入しましょう。
・現住所、生年月日、連絡先について
必ず告知日時点のものを記入しましょう。
・保障プランについて
プランの内容が間違っていないかどうかチェックします。
・質問への答え方について
自身に当てはまる質問があれば“あり”にチェックを入れ、ない場合は“なし”にチェックを入れます。
・病名の記載について
病名を記載する際は、必ず正確な名称を記入しましょう。
例えば、“C型肝炎”を“肝炎”と略して記入するといったことはNGです。
・医師の診察、検査、治療、投薬歴について
診察や検査、治療、投薬には、“カウンセリング”も含まれます。
一方、健康診断や人間ドックを受診した履歴に関しては、告知する必要がありません。
ただし、健康診断または人間ドックを受けた結果、ある病気の検査、業務上の制限などを受けた場合は、当然告知が必要になります。
・再検査、精密検査の履歴について
再検査や精密検査の治療を受けたのが3ヶ月目以降の場合は、告知する必要がありません。
例えば、6ヶ月後に再検査を受けるよう、医師から指示があった場合などです。
・記入内容の訂正について
もし、内容を間違えて記入してしまったのであれば、本人印による訂正印で対応しなければいけません。
その他の告知に関する細かいルール
団信の審査に伴う告知には、他にも細かいルールがいくつかあります。
例を挙げて解説しましょう。
薬の処方のみを病院から受けている場合について
病院に通い、特定の病気に関する薬を処方されている方がいるとします。
では、もしこちらが処方のみで、実際服用はしていないという場合、告知はしなければいけないのでしょうか?
結論からいうと、たとえ処方のみの場合であっても、告知書には記入しなければいけません。
なぜなら、病院から薬の処方を受けることは、医師による“指示”、“指導”に該当するからです。
健康診断書について
“健康診断書”とは、文字通り健康診断を受けた結果が記載された書面のことをいいます。
具体的には、以下のような項目の結果が記載されています。
- 胸部エックス線写真
- 血圧
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図 など
では、団信の審査を受ける際、健康診断書が必要になるケースはあるのでしょうか?
こちらに関しては、必ずしもないとは言い切れません。
例えば、アパートローンの借入金額が5,000万円以上などの高額になる場合や、がん保障・8大疾病保障の特約を付ける場合など、ローンの条件によっては、提出を求められる可能性があるため、覚えておきましょう。
“2週間以上の医者による治療”について
団信の告知書には、2週間以上の医者による治療があった場合、その旨を告知しなければいけないというルールがあります。
こちらの“2週間”とは、正確には治療があった期間ではなく、医師の指示によって薬が処方された期間や、来院を促された期間なども含む期間を意味しています。
よって、例えば年1回の定期検査を指示された場合、1ヶ月後の来院を促された場合も、告知書にその旨を記入する必要があるため、覚えておきましょう。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 団信加入時の審査では、告知書を用いて加入者の健康状態を伝えなければいけない
- 嘘の告知をした場合、保険会社によって団信の契約が解除される可能性がある
- 告知書を書く際は、とにかく正直に、正確な内容にすることを心掛ける
- 団信の審査では、健康診断書の提出が求められることもある
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!