これから投資用不動産を購入し、経営するにあたって意識したいのは、少しでも多くの賃料収入を得ることです。
また、それによりもさらに意識したいこととしては、“手取り収入”を増やすことが挙げられます。
ここからは、手取り収入の概要と、どうすれば手取り収入が増やせるのかについて解説します。
手取り収入って具体に何を指す?
不動産投資における“手取り収入”とは、賃料収入からさまざまなランニングコストを差し引き、残ったプラスの金額を指しています。
具体的には、賃料収入から以下のコストが差し引かれた後に、手元に残る収入です。
- ローン返済
- 管理費
- 修繕積立金(マンションの場合)
- 税金
- 火災保険、地震保険料
- 退去時のクリーニング代 など
どれだけ多くの賃料収入を得ることができても、最終的に残る手取り収入が少なければ、投資用不動産を購入する意味がありません。
不動産投資の手取り収入を増やすためのポイント
では、前述した不動産投資の手取り収入は、一体どうすれば増やせるのでしょうか?
増やすための主な方法としては、以下のことが挙げられます。
- 頭金を増やす
- 繰り上げ返済を行う
- 賃料収入をアップさせる
- 人気エリアの投資用不動産を購入する
- ワンルーム物件を購入する
- ローンの借入額を減らす
頭金を増やす
不動産投資の手取り収入を増やすには、まずローンの借入時、なるべく頭金を増やすことをおすすめします。
アパートローンは、頭金を一切用意しない“フルローン”でも借り入れることができますが、これではなかなか手取り収入は増えません。
なぜなら、返済期間が長期化したり、利息の総支払額が大きくなったりすることで、いつまでも賃料収入から差し引かれる額が小さくならないからです。
よって、それほど経済的な余裕がない方でも、少しは頭金を投入し、ローンを借り入れることをおすすめします。
繰り上げ返済を行う
先ほど解説したように、頭金の金額が少ないと、手取り収入がなかなか増えないという状況は続きます。
ただ、どうしても少ない頭金でしか借り入れられないという方は、投資用不動産の購入後、タイミングを見てなるべく”繰り上げ返済“できるように努力しましょう。
これは、毎月の返済とは別に、借入額の一部または全部を返済することをいいます。
通常の返済では、返済額に利息分も含まれていますが、繰り上げ返済の場合は、返済分がすべて元金の返済に充てられます。
つまり、実践することで、支払う利息を軽減できるということです。
もちろん、これを実践する場合、不動産投資開始後の一定期間、手元にほとんど利益が残らなくなってしまいますが、検討する価値はあるでしょう。
賃料収入をアップさせる
これは非常にシンプルな考え方ですが、賃料収入をアップさせることができれば、当然不動産投資の手取り収入は増えます。
ただ、賃料収入を増やすといっても、安易に賃料の値上げをするのはNGです。
根拠のない値上げをしたところで、入居者が集まらなければ意味がありません。
賃料収入をアップさせたいのであれば、リフォームやリノベーションの実施を検討しましょう。
もちろん、リフォームやリノベーションにはそれなりのコストがかかりますが、付加価値がある物件にすれば、周辺相場より多少賃料が高くても、入居者は集まる可能性があります。
つまり、リノベーション費用は必要なコストだということです。
人気エリアの投資用不動産を購入する
不動産投資の手取り収入を増やす方法としては、“人気エリアの投資用不動産を購入する”という方法も挙げられます。
具体的には、以下のような都心エリアの物件がおすすめです。
- 吉祥寺
- 高円寺
- 下北沢
- 池袋
- 中野
- 荻窪
- 三軒茶屋 など
これらのエリアは、都心エリアの中でも特にニーズが高く、アクセス環境にも優れているため、空室発生のリスクが低いです。
また、空室リスクが低いということは、多少賃料を値上げしても入居者が離れにくく、手取り収入を増やしやすいということになります。
ワンルーム物件を購入する
ワンルームの投資用不動産に入居するのは、その多くが単身者の方です。
また、単身者の方は就職や転職、進学などに伴う転居の機会が多く、たとえ空室が発生したとしても、比較的次の入居者が決まりやすい傾向にあります。
つまり、ワンルームは他の間取りと比べて、空室期間が短いということです。
空室期間が短ければ、賃料収入が減ってしまう期間も必然的に短くなるため、手取り収入が増える可能性は高いです。
ローン借入額を減らす
これは、“頭金を増やす”という考え方に少し似ていますが、ローンを多く借りすぎてしまうと、毎月莫大なランニングコストが差し引かれることになるため、あまりおすすめできません。
もちろん、頭金の割合を大きくしたとしても、トータルの借入額が大きければ、毎月の負担が増えることには変わりないため、注意が必要です。
適度な頭金の投入と、適度な金額の借入を心掛けましょう。
過度に“節税”を意識するのはNG
不動産の手取り収入を増やすにあたって、“過度な節税”をすることは逆効果です。
なぜなら、金融機関の信頼を得るにあたっては、節税することではなく、しっかり黒字を出して“納税”することが重要だからです。
また、金融機関の信頼を得れば、より大きな融資を引き出すことができるようになり、それが事業の成長、手取り収入の増加に繋がります。
節税は、言い換えると“利益を減らす行為”であり、金融機関の信頼には繋がりません。
特に、個人で不動産投資を行う段階では、必要以上に節税を意識するメリットは少ないです。
よって、将来的に事業拡大を検討しているのであれば、「節税を強く意識するのは法人になってから」と考えておいた方が良いでしょう。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- ローン借入時の頭金を増やし、借入額もなるべく抑えることで不動産投資の手取り収入は増える
- リノベーションで賃料収入をアップさせれば必然的に手取り収入は増える
- ワンルーム物件、人気エリアの物件購入は手取り収入増加に繋がりやすい
- 過度な節税をすると、事業拡大に必要な融資が受けられないので注意
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!