投資用不動産を購入するにあたって、必ずチェックしなければいけない要素の1つに“利回り”が挙げられます。
投資をした不動産の利回りが低いと、効率的に利益を上げることはできません。
今回は、不動産投資における物件種別によって異なる利回りの相場と、投資用不動産の物件購入時に利回りを考慮するときのポイントを解説したいと思います。
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物件種別によって異なる利回り相場
一口に投資用不動産といっても、その種類はさまざまです。
不動産投資の投資対象としてよく購入されるものとしては、以下のものが挙げられます。
- 区分マンション
- 一棟アパート
- 一戸建て
また、投資用不動産の物件種別によって、オーナーとなる方が目安にすべき利回りは変わってきます。
それぞれどれくらい違うのか見てみましょう。
区分マンションの利回り相場
新築の区分マンションの場合、購入価格が高額であるため、利回りは少し下がる傾向にあります。
具体的な相場は以下の通りです。
- グロス利回り:3~5%
- ネット利回り:2~4%
一方、中古の区分マンションは、新築よりもリーズナブルな価格で購入できるため、以下の通り少しだけ利回りがアップします。
- グロス利回り:5~8%
- ネット利回り:3~5%
一棟アパートの利回り相場
アパートはマンションと違い、区分物件として購入される機会はそれほどありません。
そして、新築物件の数もあまり多くないという特徴を持っています。
利回り相場は以下の通りです。
新築一棟アパート
- グロス利回り:5~7%
- ネット利回り:2~5%
中古一棟アパート
- グロス利回り:5~8%
- ネット利回り:3~5%
ちなみに、あまりにも古い一棟アパートの場合、どれだけグロス利回りが高くても、修繕費などがかかりやすいことにより、ネット利回りが低くなることも考えられます。
一戸建ての利回り相場
地方で一戸建てを購入し、不動産投資をする場合、10%台の高利回りを実現できる可能性もあります。
ただ、地方物件は、一度空室ができると埋まるまでに時間がかかります。
特に、一戸建ては長期間入居することが多く、誰もが慎重に物件を選ぶため、なかなか入居者が決まらず、利益が出ないということも珍しくありません。
そのため、高利回りの物件でも油断しないようにしましょう。
ちなみに、一戸建ての利回り相場は以下の通りです。
- 新築(グロス利回り):5~6%
- 中古(グロス利回り):6~8%
投資用不動産の購入時、利回りを考慮するときのポイント
投資用不動産の購入時、グロス利回りやネット利回りを考慮するのは重要なことですが、そのときには以下のポイントにも着目しましょう。
- 付随費用
- 空室の数
- 借入の有無
- シミュレーション
付随費用
投資用不動産を購入する際には、当然物件の取得費用だけでなく、他にも数々の付随費用がかかります。
利回りを見るときは、こちらを考慮したものを参考にしなければいけません。
つまり、グロス利回りではなくネット利回りを重視すべきだということです。
ちなみに、投資用不動産購入時の付随費用には、主に以下のものが挙げられます。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税、都市計画税
- 管理会社委託費
- 火災保険料
- 税理士、司法書士報酬 など
また、購入時以外にも、不動産投資には以下のような年間諸費用がかかるため、こちらも計算に入れておきましょう。
- 消耗品費(文房具、コピー用紙などの備品費)
- 通信費(入居者、管理会社などと連絡を取るための電話代、インターネット利用料)
- 交際費(オーナー会の参加費、取引先との会食費)
- 水道光熱費(共用廊下の電灯にかかる電気代) など
空室の数
購入しようとする投資用不動産がどれだけ高利回りでも、空室の数が少ない場合は注意が必要です。
なぜなら、利回りは基本的に満室時の賃料収入で計算されるからです。
また、空室の数は少ないものの、入居者が頻繁に入れ替わる物件も気を付けた方が良いでしょう。
入居者がコロコロ変わると、そのたびに不動産会社の仲介手数料、広告料、原状回復費などが発生するため、利回りは下がりやすくなります。
もちろん、入居者が入れ替わりやすい物件は、物件そのものや周辺環境などにおいて、目には見えない瑕疵を抱えているケースも多いです。
よって、物件購入時にはレントロールの内容をくまなくチェックし、高利回りが実現しやすいかどうかをイメージしなければいけません。
借入の有無
よっぽど格安の中古物件でない限り、投資用不動産の購入時にはほとんどの方がアパートローンを利用します。
ローン返済費用は、不動産投資におけるランニングコストの中でもかなり高額なものであるため、必ず利回り計算の際には含めなければいけません。
シミュレーション
投資用不動産の購入時は、不動産広告などに記載された利回りを鵜呑みにせず、オーナー自身でシミュレーションする必要があります。
また、先ほども少し触れたように、利回りの多くは満室時の賃料収入で計算されるため、空室が出た場合の数字もあらかじめ算出しておくべきです。
その他、築年数の経過や、今現在のコロナのような社会情勢の変化などにより、賃料が減少した場合の利回りについても、いくつかのパターンをシミュレーションしておきましょう。
投資用不動産の構造別における利回りについて
投資用不動産の構造は、主に以下の3つに分かれます。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
これらの物件は、木造⇒鉄骨造⇒鉄筋コンクリート造(RC造)の順に建築費用がかかりやすく、取得費用も高くなります。
つまり、鉄筋コンクリート造(RC造)よりも鉄骨造、鉄骨造よりも木造の方が、利回りは上がりやすいということです。
ちなみに、各構造の耐用年数に関しては、木造⇒鉄骨造⇒鉄筋コンクリート造(RC造)の順に長くなります。
よって、利回りをシミュレーションすると同時に、どれくらいの期間不動産投資を行う予定なのかを考慮して、構造を選択しなければいけません。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 物件種別によって不動産投資の利回り相場は異なる
- 利回りを考慮する際は、必ず付随費用を計算に入れなければいけない
- 空室が多く、入居者の入れ替わりが激しい物件は、想定通りの利回りになりにくい
- 物件の構造も利回りに影響する(木造物件がもっとも高利回りになりやすい)
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!