ワンルーム投資、一棟マンション投資などの不動産投資を行う場合、“分散投資”という概念がとても大切になります。
なぜなら、これを意識することで、投資家の方はより安全に不動産投資を進めていくことができるからです。
今回は、分散投資のメリットと併せて、具体的な分散方法について解説したいと思います。
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分散投資って何?
そもそも分散投資とは、不動産投資のリスクを避けるために、いくつかの投資用不動産を購入し、運営することをいいます。
不動産投資に限らず、投資の世界では非常に一般的な概念であり、“卵は1つのカゴに盛るな”という有名な格言もあるくらいです。
これは、卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落としたときにすべての卵が割れる可能性があるのに対し、複数のカゴに分けておけば、1つのカゴを落としても他のカゴの卵は無事で済むという意味の格言です。
分散投資のメリット
不動産投資で分散投資を行うことには、主に以下のようなメリットがあります。
- 家賃収入を安定させられる
- 自然災害のリスクにも対応できる
家賃収入を安定させられる
分散投資のメリットとして挙げられるのは、なんと言っても“家賃収入を安定させられる”という点です。
例えば、1つの投資用不動産のみを運営している場合、入居者がいる間は良いものの、空室が増えるとたちまち家賃収入は減ってしまいます。
もちろん、入居者がゼロになれば、家賃収入もゼロになります。
これは、先ほどの格言でいうところの“1つのカゴが落ちて、卵がすべて割れてしまった状態”を指しています。
一方、複数の投資用不動産を運営していれば、1つの物件が空室だらけになったとしても、他の物件の家賃収入でカバーできるため、家賃収入が一気に減る心配はありません。
もちろん、長いスパンで見たときの総収入も、分散投資をしている場合の方が多いです。
自然災害のリスクにも対応できる
分散投資には、“自然災害のリスクにも対応できる”というメリットもあります。
入居者が減少してしまうリスクに関しては、定期的な修繕や設備の導入など、ある程度対策を取ることができますが、自然災害はそういうわけにもいきません。
ある日突然地震や台風、津波などが発生し、建物に甚大なダメージを与えるのが、自然災害の恐ろしいところです。
ただ、分散投資をしていれば、たとえ1つの物件が自然災害で壊滅的な被害を受けたとしても、完全に家賃収入がなくなることはありません。
具体的な分散投資の方法は?
不動産投資における分散投資には、主に以下の3つの方法があります。
- 異なる種類の投資用不動産を運用する
- 時期をずらして複数の投資用不動産を購入する
- 投資用不動産の購入エリアを分ける
異なる種類の投資用不動産を運用する
分散投資には、まず“異なる種類の投資用不動産を運用する”という方法が挙げられます。
例えば、以下のように物件を所有する方法です。
- ワンルームマンション一棟、ファミリー向けマンション一棟
- ワンルームマンション一棟、戸建て物件一棟
これは、ターゲットが違う投資用不動産を複数持つことで、1つの需要が減ってももう1つでカバーできるという考え方です。
時期をずらして複数の投資用不動産を購入する
分散投資には、“時期をずらして複数の投資用不動産を購入する”という方法もあります。
例えば、とあるエリアにおいて、ファミリー層のニーズが高いことを理由に、投資用不動産を複数同時に購入するとします。
このとき、ニーズが高い状況が続けば問題ありませんが、ニーズが落ちてきたときには、家賃収入に大きな影響が出ます。
よって、どれだけニーズがあるエリアであっても、そこに集中して投資するのは危険だと言えます。
それならば、とりあえず一棟または一室を購入して数年様子を見た後、まだニーズがあると判断される場合に、もう一棟(一室)を購入する方が賢明です。
投資用不動産の購入エリアを分ける
分散投資の方法には、“投資用不動産の購入エリアを分ける”という方法もあります。
これは、主に自然災害のリスクを減らすために行われるものです。
例えば、地震が発生しやすいエリアで複数の投資用不動産を購入すると、一度の自然災害ですべての物件が運営不可能になってしまう可能性があります。
一方、離れたエリアであれば、すべての物件が甚大な被害を受ける可能性は低くなります。
ただ、都心と地方で分散投資をすると、一般的にニーズが低い地方の物件が足を引っ張ることも考えられるため、注意しましょう。
分散投資の注意点について
分散投資は不動産投資に必要不可欠な考え方ですが、実践する際は以下の点に注意しましょう。
- ある程度資金がないと実践できない
- 管理が複雑になる
ある程度資金がないと実践できない
当然のことですが、分散投資はある程度資金がないと実践できません。
そのため、融資条件が厳しい20代の方などは、なかなかしたくてもできないでしょう。
1つの投資用不動産である程度結果を出し、初期費用をほぼ回収できるくらいになれば、投資規模の拡大も視野に入ると思うので、分散投資はその際に意識すべきです。
もちろん、複数の投資用不動産を運営し、すべて結果が出せない場合は、初期費用を回収できませんし、ランニングコストばかりがかさんでしまいます。
このような状況に耐えるためにも、やはり分散投資にはある程度の資金が必要だと言えます。
管理が複雑になる
これは、特に複数のエリアで分散投資する場合に言えることですが、エリアが変われば、当然担当する管理会社、地域・入居者の特徴などは変わってきます。
そのため、1つの投資用不動産を運営するときに比べて、管理は複雑になるでしょう。
不動産投資は、管理会社に一任することができますが、入居者の属性やニーズ、周辺物件の賃料相場などに関しては、オーナー自身が把握し、情報を管理しなければいけません。
今回の記事のポイントを整理!
今回の記事のポイントは以下になります。
- 分散投資は収入を安定させるため、自然災害のリスクに備えるための考え方
- ターゲットが違う投資用不動産を購入すれば分散投資になる
- 投資用不動産の購入時期をずらせば分散投資になる
- 購入するエリアを分ければ自然災害のリスクを減らせる
- 分散投資はある程度資金がないと実践が難しい
以上のポイントはしっかりと頭にインプットしておきましょう!